触感と暗号

暗号とは、共有すべき秘密を伝達するために第三者に知られることの内容に、ある特定の規則によって生成される文字若しくは文章の変形とでも言えばいいのでしょうか?
辞書を引けばもっと銘菓kな結果が出てくるでしょうし、検索をかければWikiなどに引っかかってかなり詳しいことも調べられます。
では、秘密でないばあいはなんと呼ぶのでしょう?
Palm OSでキーボードの付いていないPDAで文字を入力するときに使われるのは「グラフィティ」と呼ばれる入力方法です。
日本語という世界的常識から考えると異常なほど多い文字種をもつ言葉が(人口比率から言うと中国が入るので少数で出なくなるといううわさも・・・・)使われているので必ずしも最も良いものとはいえないでしょう。
アルファベットを記号化した文字を、入力欄に書き込むことで文字を認識させる仕組みです。
タッチパネルで効率よく文字を認識させるための手法です。
例えばひらがなで「お」を書いた場合三画の文字です。
横棒から始まって最後の点まで三回タッチパネルを触ることになります。
アルファベットの場合「T」が二画の文字になります。
一画の文字ばかりであればタッチパネルから離れたときに認識終了となるのですが、二画や三画の文字があるとどこで終わりかがわかりません。
「グラフィティ」は(2は違うとか 違う文字があるとかは少しおいといてね)基本的に全てのアルファベットを一筆書きの記号に置き換え非力なCPUを搭載した機器の文字認識でも間違いの無い入力を提供してくれたわけです。
お蔭様で私は長い間Palmを使い続けることとなるわけです。
 
タッチパネルはいろいろな方式がありますが、殆どの場合画面上の一点を追いかける仕組みですから一点の入力しかセンスできません。
つまり何がいいたいかというと、キーボードを使っているときに「Shift」キーを押しながら文字キーを押して大文字にしたり ショートカットとして使うときに「Ctrl」キーを押しながら文字キーを押すような動作がタッチパネル上のキーボードでは出来ません。
ソフトキーと言われる、液晶パネルにタッチパネルを組み合わせたキーボードに使う上での好みが出るのはこのあたりの部分です。
PDAではキラーアプリとなるソフトキーアプリケーションを開発してくださった方がいらっしゃって お蔭様でWM機も少しづつ使えるようになって来ました。
今は退化してやはりキーボード付きしか使えていませんが
一応、タッチパネルのデバイスでは、好みが介在する余地があることはご理解いただけたと思います。
 
I-Phoneという電話が出てきて画面全てが液晶パネルの電話の可能性を世の中に問うような大騒ぎになっています。
i-Podと呼ばれる音楽プレーヤーのインターフェースと同様、リング状になった操作パネルの上を円を描くように滑らすインターフェースで恐らく選択がされる仕組みなのでしょう。
指で円を描いて、円の中心辺りを指でタップする これで選んで決定するところまでの作業が出来るわけです。
これは音楽プレーヤーとしてみた場合。
あくまでもインターフェースも知らないでの想像なので許して頂きたいのですが 
動画を表示した場合。
それもフル画面で表示をした場合はどうなのでしょう?
例えばWM系の機器でMediaPlayerを立ち上げて全画面表示にしてビデオを見た場合。
画面を一度タップすると全画面からコマンドモードになり操作パネルが現れます。
そこで、操作が可能になります。
画面をタップすると全画面が解除されて操作パネルが出てくる。
この流れはどのWM機でも同じです。
一部の動画再生機においてそうなので想像でI-Phoneのインターフェースでは画面の触り方で何らかの意味を持たせているのではないかと思います。
例えば画面再生中に、右回しでぐるぐると指を回せば早送り左回しだと巻き戻し。
画面のしたから上に動かすとボリュームUP、上から下だとボリュームダウン。
画面を一度タッチしてから右に動かすと画面サイズの両端をそのプログラムの全体として再生場所を動かしたり、何もせずに右にスライドさせると再生速度を上げる等の機能があるかもしれません。
これはあくまでも私の思いつきですがそれは可能でしょう。
 
画面の上で指を回すという行為なのですが、動作を伴えば直感的でわかり易いインターフェースです。
逆回しにすれば戻ると言うことも恐らく思いつくでしょうし、指を回す速度を変えることで速度も変えるぐらいのことまでは想像がつくでしょう。
しかし、何の前知識もなくその液晶画面の前に立ったときにそれが出来るでしょうか?
「グラフィティ」もそうで、いくら一筆書き英語に近いものだとしてもかなりの癖があり始めてではかけない文字もあります。そんなことは無いとおっしゃられるかもしれませんが、ではグラフィティを知らない人に「#」を一筆書きで書いてくださいと言えばその返事からわかってもらえると思います。まず、グラフィティで書く「#」にはなりませんから。
覚えやすいか覚えにくいかの差はあれど、このインターフェースは利用者に熟練を要求するものなのです。
これが、キーボードを使っているとどうでしょう?
「#」がShiftを押しながら出ないと出てこないは判らない顔も知れませんが、少なくともアルファベットぐらいは押すことが出来るでしょう。
一般性という視点で見ればキーボードとは既に説明が要らないレベルに限りなく近いインターフェースであることは間違いありません。
 
では、タッチパネルがわかりにくいかというとこれは大顰蹙を買うことになるでしょう。
例えば、駅の券売機や銀行のキャッシュディスペンサーなどはどうでしょう?わかりやすいからああなのです。
しかし、考えてみてください 画面に写ったボタンを押すという作業を行っているだけなのです。
もし、切り替わるキーボードがあれば同じことが出来る タッチパネルならではのインターフェースではなく キーボードのインターフェースの上に載ったインターフェースなのです。
指をパネル上で回すようなボタンでは成立しないインターフェースと言うわけではないのです。
勿論、コントローラーを頭の上でぐるぐる回して「なげわ〜」と叫ぶワイヤレスなコントローラーというようなポップなインターフェースと言うわけでもありません。
新しいインターフェースは、何の説明もなく判るものではないのです。私のようなおやじにとっては 若者だけで通じる暗号のようにしか思えないかもしれません。
 
結果的に「グラフィティ」は少なくとも日本では10人に聞いて1人が知るほどメジャーな入力方式ではありませんでした。何故か私の周りだけならその比率は大きく崩れるのですが まあ、10人に一人なら「Palm」という名前を知っていますか? の問いでも無理かもしれません。
恐らく やしの木がどうしたと返事してくれる人がいればラッキーというところでしょう。
i-podは日本でも爆発的に売れた音楽プレーヤーです。
その名前だけであれば二人に一人は知っているでしょうし、他社のものと区別がちゃんと付くとなると10人に一人程度まで減るでしょうが若い人の中では何とかなるでしょう。
つまり、まわすという行為だけなら公知のインターフェースとなるわけです。
そこからのステップアップとしてi-poneというものが用意されたとすると・・・・
恐らくAPPLEはこのインターフェース自身を特許として申請していることでしょう。
例えば信号の赤は止まるのように誰もが知っていて、世界中でこのインターフェースが常識になるかもしれません。
しかし、ライセンスがあってライセンス料を払っていない人は使えないというようなものになったときに なにか納得いかないものを感じるのでしょうね・・・・