NOKIAの日本からの撤退が昨日報道されました。
この内容に関しては悲しいとしかいえないのですが・・・さもありなんといえます。
企業がやることですから遊びや趣味ではありません。
当然、利益の追及の為に行うことです。
他の会社がどうかはともかくNOKIAの賞賛があるかどうかも大きなポイントです。
その際、海外の携帯電話端末を持ち込むにあたり大きな問題が、各キャリアのローカルルールに対する対応とその国の言語に対する対応です。
言語に対する対応で日本市場を諦めたなんて事はありません。
何故なら２バイト圏への導入実績が物を言うからです。
ではそれ以外の障害は何だったんでしょう？
大きな問題点として、現行の携帯電話提供メーカーの収支でしょう。
正直、このジャンルでは恐らく未だどこも儲けてはいないのではないのでしょうか（シャープは儲けて沿うには見える）？
もちろん、それは現状の姿で 今後の話ではないので 長期的展望から考えての投資と言う考え方はあるでしょう。
シェアを拡大して、覇者となる・・・という選択はあるでしょうが所詮井の中の蛙。
世界的な規模から見たら 小さすぎる規模です。
逆にNOKIAにとっては世界規模で生産しているから、それを日本に持ってくればといえなくもありません。
ところが、日本の携帯市場は精一杯拡大をして、そろそろ停滞しており このままでは縮小を始めだしたという状態。
複数台の携帯電話を持つ人が多く出たものの、機能の拡充は（DUAL SIM等）必ずしも複数台持っていることが必要と言うわけではなくなっています。
もう一つの大きな要因としては、メーカーのサービスの特殊性。
一つは日本国内全体の問題で、テレビがついてなければと言うような機能的な差別化政策が 一覧表に機能を並べたときに丸の無い項目が増えること。
そしてそれ以上に問題のあるのは キャリアのサービスの特殊事情。
キャリアサービスの特殊事情は、i-modeやEz-web等と言うキャリア主導のWAPサービス。
WAPサービスが悪いとはいえないのですが、これが日本国内向けの特殊仕様であること。
少なくとも海外の携帯電話でFlashのサービスまで提供している物は無く、かなり特殊な物と言えるでしょう。
そして、その回線を閉鎖的に囲い込むことにより クレジットカードに近い機能を携帯電話に持たせたりしているわけです。
勿論、かなり強固な契約を結び専用のアプリケーションを作りこむ必要が出てきます。
そして、そこまでしても プラットフォームとしてキャリアの提供するバックボーンとなる部分を搭載しなければ利用できないサービスが満載となるわけです。
メーカーにより個性が出ているように見えますが、キャリアチップと通称呼ばれる 通信部＋アプリケーションプロセッサの部分は同世代のシリーズでほぼ全てのメーカーが共有されていて それに外れる構成のNOKIAの端末などではその部分への対応を全てすることはメーカーにとっては大変すぎる作業となります。
勿論、定額と呼ばれるパケットサービスもそれに付加され、秘密と言われている接続方法に則した接続でなければその定額サービスを受けることが出来ません。
海外で発売されているソフト等の対応を考えた場合、その部分を全て開放するような接続を好まないわけです。
それを塞いでしまうと言うことは、前述の問題と加味すると殆ど全ての追加アプリケーションの動かない端末となってしまうわけです。
最近ではかなりの部分で開放しようとしているようですが、それでも問題が無いわけではないのです。
先細りで尚且つ、他国より対応に困る国。
それが日本で日本市場です。
それでも、世界のシェアのことを考えると無視できないはずの国だったはずなのですが・・・
大きな赤字を覚悟してまでやることではなくなったと言うことなのでしょう。
実際、先細りを防ぐ為にキャリアが身を削った販売を繰り広げようとしている状況で 今の状況を超えた利益を得ることなど期待薄なのですから。
それでも、電話で無い部分が大きくクローズアップされる物であれば（例えばHTCのような）戦いようもあったのでしょうが
電話としての基本性能がメイン（本当はそれこそが電話の本文だと思うのですが）の端末が面白く日本人にうつらなかたのも事実でしょう。
では、今後どうなってゆくのでしょう？
日本市場から撤退しているのは海外のメーカーだけではありません。
日本国内のメーカーでも撤退は始まってます。
キャリアは華やかに宣伝していますが、将来はどうなるんでしょう？
どこかのキャリアが１人勝ちするというのは どのキャリアも見ている夢でしょう。
夢を見るのは良いのですが、現実もみなければいけません。
１人勝ちする前に消耗してゆき、共倒れのパターンもあります。
そうしたときに誰が残るのでしょう？
そして誰もいなくなった・・・
