格差社会

先日、展示会場で斜め向かいを見ると3Dのテレビが置いてありました。
液晶シャッター式のようで 思った以上に鮮明な画像にびっくりしたわけですが それを見ながら少し不安な気持ちに。
 
3Dを見るためには幾つかの手法があります。
一つは昔からある 青と赤のセロファンを左右の目につける方法。
これは、画面の右目が見るべき画像を赤で作り 左目で見るべき画像を青で作れば右目と左目の見る画像が違って立体に見えるわけです。
近接した物を見たときに、右目と左目の見える画像の角度が異なる事によって立体を理解しているからです。
この方法の最大の問題点は、色が無くなる事。
赤と青が使えなくなるわけですから画面が色のついた白黒に近くなってしまうわけです。
勿論、色のずれた疑似色は使えるのですが 全体的にみるとやはり色がおかしくなってしまうのは避けられない訳です。
故に使いどころが難しく 劇場等の場合 今から3Dになるので メガネをかけてください等を案内が出たりするわけです。
そのままですと 色がおかしくて長い時間かけているとどうしてもおかしくなってしまいます。
 
二つ目の方法は最近の映画館で良くある手法で 偏光シャッター式と呼ばれる物。
偏光レンズのサングラスなどと同様 例えば右目に縦向きの光をさえぎるレンズを 左目に横向きの光をさえぎるレンズを入れて右目と左目の像を変えて3Dとして見せる方法。
この方法でスト自然な色合いで見る事が出来 映画館などでその効果は見られた事がある人は多いでしょう。
でも、欠点が無いわけではなく サングラスをして画面を見ている訳ですから もともと画面が暗くなっている訳です。
映画館などでは外の光が入らないところで画面をその分明るく表示して見せるから良いわけですが、家庭用テレビなどでやると外光との影響で どうしても見にくくなってしまいます。
また、液晶テレビなどで輝度を上げるうのも苦しいので やはり映画館などに向いた手法と言えるでしょう。
 
そして、三つ目の方法としてあるのが液晶シャッター式と言われる方法です。
今回見たテレビがそれなのですが、かけたメガネにシャッターが仕込んであって、右目の映像が映っているときには左目のシャッターを閉じて見えなくする。
左目の映像が映っているときには右目のシャッターを閉じて見えなくする事によって 立体視を作っている訳です。
この場合シャッターと言えばあれですが 1秒間に30コマの表示を 60コマにして それをシャッターで切り替えている訳ですから 自然に見えるわけです。
問題は画面とメガネのシャッターのタイミングがずれては元も子もないので その為のケーブルなりなんなりが用意されている訳です。
また、メガネに機構を持っているのでどうしても前二者程メガネが安くなく 上記のような劇場などに向いた方法ではない訳です。
ただ、家庭用テレビ等には向いている方式かもしれません。
ただ、見る人数分メガネがいるのはどうかと思うわけですが・・・・
 
他にも、三角形のレンズを画面の上に貼って単純に左右の目で見た映像を変える裸眼タイプもありますが この場合見る事のできる場所がほぼ正面だけと制限されてしまうわけです。
おそらくですが3Dと言われるDSはこのタイプでしょうから、横から覗き込むと悲しい画面となっている訳です。
 
小さな画面をのぞきこむのなら良いわけですが、普通のテレビとなると テレビの周りに隙間が大きいと テレビの画像のサイズにしか3Dとならない訳ですから 見えない訳ではないのですが 違和感のある画面となってしまいます。
大よそ、2m〜3mぐらい離れたソファーにでも座ってみるのが一番良く、その際は40インチ以上のテレビでないと 手のひらの上に立体映像が映っているようなもので立体であるがゆえに 物の大きさを実際より小さく感じたりしてしまうわけです。
つまり、なんとなく間抜けな画像になってしまうわけです。
大画面で楽しむコンテンツが3Dで・・・・・
というところで、当然ですが我が家には40インチのテレビを置く場所がありません。
3Dがでてもおそらくテレビを買う事が出来ないでしょう。
白黒テレビからカラーテレビのときのように 白黒テレビでもカラー番組が白黒で見れたように 3D画像を通常テレビで見る事が出来るかどうかは現在不明です。
実際、その展示会のときに横目でのぞいた時には画面が二重写しでとても楽しく見ていられる画面ではなかったわけです。
ともあれ、貧乏人は指をくわえて二重映りの画像を見ておけという事になるのでしょうか?
 
TVが凄いところというか、日本の中層意識というのは お金持ちも貧乏人も全てそんなに変わらないサービスが受けられるという事です。
その構造が明らかに最近崩れている訳ですが 
スポンサーがーあって 故にテレビは誰でも公平に見れるという物から、CSはじめとするTVはお金を払ってみる物に変わりつつあります。
インターネットの動画もそうで、この先は有料でという案内が出てくることも少なくなくなってきました。
結果的にお金を払った人だけにコンテンツが公開されるという風になってきたわけです。
そして、広告収入の減っているテレビ局も今までのような放送が今後もずっと続けられるかどうかも判りませんし、無償で見られる範囲を絞ってくる可能性もあるわけです。
その先兵たる仕組みが3Dであるかもしれない訳です。
一大決心で購入した大画面テレビすら、既に時代遅れのものにしようとしている訳です。
おそらくPCもそうなって、結果的に世代違いは全て買い替えを促される事となるわけです。
買い替えのできない人は 新しいコンテンツから遅れてゆくわけです。
3Dでしかやらないトレンディドラマをすれば、3Dde無い人は話題にすらついてゆけなく・・・・
 
技術的な世代の交代は、必ずそのふるいに落ちる人を生み出します。
不景気で購買力の無くなった人たちに、びっくりするような大きなふるいが今回の3Dテレビかもしれないと思えば少し怖くなった訳なのですが・・・・
勿論、ここまでするぐらいであれば実はヘッドマウントディスプレイをかければコスト的にも安くで・・・・とかあるわけですが そのあたりは無視した場合の話なのですが

written by HatenaSync