本の薫り

じつは先日よりちょっと興味を持って電子書籍を調べてみたりしています。
Amazonの書籍サービスは人に見せてもらって、SonyのBook Reader、SharpのGarapagosなど店頭にあるモデルはひとしきりちょっと時間をかけてみていたりして。
専用機の利点はあると思うのですが せっかく持っているのだからとTABにBook Readerソフトなども入れてみたりして。
 
実際のところ電子書籍と呼ばなければ結構利用しているわけで、最近のこういう種類の電子デバイスの取扱説明書はPDFつまりAdobeAcrobat形式で作られており
普通にそれを見ることができるわけです。
携帯電話やSmartPhoneの時は流石に画面サイズからちゃんと読むのはつらいので必要な個所だけ検索して読む程度で 書籍ではなく辞書程度。
TABになってようやく読んでみようか思う程度。
いくつかのサイトでサンプルというかそういった形で提供されている書籍もあって読んでみたわけです。
小説はともかく、漫画などは比較的快適に見せていただいているわけです。
何が違うかというと、画面を見ている時間の差かと思っています。
1ページの視認の時間が違うのはすべての文字を認識するのに対して、大きな絵を中心に吹き出しの文字を読むだけという点。
じゃあ文字はどうかというと、やはり何となく違和感があるわけです。
 
コントラストの問題を以前に書いていますが じつは間違いだったかと思い始めています。
たとえばコンピューターの出椅子プレイなどはかなりのコントラストを持っています。
もしかしたらバックライトの明るさで稼ぎ出しているのでそれが煩いといえばそうなのですが・・・・
じっさい、SunのWorkStationのディスプレイをジャンクで探してきてPC用にコネクターをねつ造して繋いだりしたこともありましたが 思った以上に画面が暗くて驚いたのですが
今考えるとあれが正常なのかもしれません。
あでやかで美しい画面は それこそ南米のきらびやかな日の下で育った極彩色のフルーツの写真ばりに 普段の家の近くの写真も艶やかなわけですからオーバークオリティなわけです。
でも、バックライトを暗くすると 黒までの諧調の段階が減ってしまうので 特に液晶などは明るいLEDのバックライトなどを用意するわけです。
部屋の電気を消してテレビをつけるとその明るさに驚いたりするわけです。
 
話はそれましたが 電気の量をおそらく気にしない明るいディスプレイと抜群の諧調を誇るPC用のディスプレイに映し出した文章を見せると そこそこの年齢の人の多くは
「プリントアウトしてくれ」と言われてめんどくさいなと 心の中でちょっと思ったりするわけです。
まあ、その心の声はともかくとして 画面よりも紙の方が見やすいと 彼らは言っているわけです。
逆にいうと 新しい技術に踊らされていて 見にくいものをお前たちは見ているんだと 言っているようで。
そういわれてみるとちょっと困ってしまうわけです。
実際、文庫本などいつも持っているわけですから 心の中でもそう思っていたのかもしれません。
 
TABを持っていると 「ガラパゴス?」もしくは「i-Pad?」と聞かれることが多く、結構多くの人が電子書籍に興味を持っているようです。
「どんな本を読むの?」と覗き込まれても あんまり本も入ってないのでいやこれは・・・と言葉を濁すことになるわけです。
実際、電子書籍のアプリを起動してみても
「結構見やすいね」なんて
それはサイズを言っているので 画面を言ってるわけではないわけです。
2〜3ページを読んでもらっても 「へ〜」という程度の反応なのです。
何を言いたいかというと どうもわざわざ変えなければいけない理由は見つからないようです。少なくとも彼には。
それでいながらテレビの宣伝などで 興味を持っているわけです。
不思議な話です。
 
いくつか試してみて じつはこれは!!という結論は私には見えていません。
本にできないことの特徴は たとえば検索機能。
これは辞書などでは有効ですが 実際物語を読んでいるときに探したりはしないわけです。
動く挿絵も、そこまでいけばビデオでいいじゃんと思ってしまって 紙芝居がテレビに勝てない理由をくどくど言うほどの事もないわけです。
拡大縮小は素晴らしいのですが 写真集なんかの話で 電子書籍でなくてもいいや・・・という話なのです。
どちらかというと教科書などは素晴らしいと思ったりするわけなのですが、子供のランドセルが一気に手提げケースになるわけです。
それでも電子書籍を押すのであれば・・・・
 
文庫本をよく買うのは最近では高くなりましたがそのコストパフォーマンスの良さ。
新書で新作が出てもけち臭い私は文庫本版が出るのを待っていたりして・・・・
最近気が付いたのですが 最近では文庫版だからと言って安くないのですね。
文庫版の安さは  その紙の質など 実際挿絵はずいぶん汚く印刷されます。
紙そのものの白さが違いましたから(最近比べると同じだったりします)
そして単純に縮小コピーのサイズも紙資源の節約に。
これも最近見たら文字サイズの最低をある程度決めたのかずいぶん大きくて ページ数が増えたりしてました。
じゃあ、文庫でなくても・・・なんて思ったりもするわけなのですが 今回出張で少し古めの文庫を買って気が付いたのですが
その 薫りが違うのです。
安い紙に印刷するために、開いた瞬間にインクの薫りが・・・・・
薫りが何かを決めるわけではないのですが 気が付いたらふわっと体が浮き上がって本の世界に吸い込まれたようになります。
これを再現することができれば、電子書籍も・・・って
これはほんの一部の人だけかな??


written by HatenaSync