ソフトバンクがイー・アクセスを買い取った!!

昨日、第一報が人騒がせな日経から出されて そのまま17時に記者会見で発表された。
噂が出た時点で 東証は取引を止めたらしくて株価の変動は今日に持ち越されたらしいわけですが・・・・
 
1900億円でのイー・アクセスの習得なのですが、これは両社にとって恐らく幸福な事でしょう。
昨日も指摘いただきましたが 「ユーザーにとってはどうなるんだ!!」という事なのですが ソフトバンクの信用の無さを感じる事があるわけですが 欠点ばかりではないと私は信じている訳です。
一つはイー・アクセスなのですが 事業としてはイーモバイルの事を指しているのでしょう。
 
イーモバイルは決して状況が悪いわけではないのですが 将来的に明確なビジョンを見出すのは難しい状態。
これは 私が個人的に思っているだけで本当はどうかは解らないのですが
WifiルーターとPCの抱き合わせと おおよそ誰もやらなかった販売方法で 道を切り開いたイーモバイルで お蔭でパケット単価が押し下げられたりと携帯電話業界に大きな影響を与えました。
ただ、そのパケット通信専用の端末も 今やすべてのキャリアが持っていて 料金も2年縛りで3880円というのが横並びとなっています。
勿論、同じ状況なのはWiMaxもそうなのですが・・・・・
端末との複数契約で安くするなどの政策も 単体販売のイーモバイルでは取りにくい戦略となっている訳です。
音声端末もやっている訳ですが こちらの方は完全に伸び悩みです。
今後、SmartPhoneが当たり前のようにテザリングが可能になれば 別にモデムを持って歩くなど 今でこそバッテリーの持ち時間の問題がありますが これもそう遠くない未来に解消する事でしょう。
そうした場合、解約を止める決定打に欠けるのがイーモバイルという所です。
LTEも実はちょっと困った問題があって、Softbankと同じ3Gと同じ周波数をLTEに割り当てている為に 3G→LTEに切り替えてしまうと3G網に穴が開いてしまうのです。
という訳で LTE化はされているものの 75Mと言いたいところですが それほどの周波数の幅をそちらに割り当てると3Gが困ってしまうので 大半のエリアでその半分の速度が限界に。
その辺りで顕著に問題が出ているのは 大阪でも当初は75Mエリアがあったのですが 現在はそれが無くなってしまったというような状況なのです。
じゃあ、37.5Mの理論値がどうかというと DC-HSDPAなどで高速化した42Mエリアと比べてどうなのかというと 数字的には変わってないじゃんと言われると辛い部分が残るわけです。
700Mを手に入れたので 来年あたりから運用となる訳ですが それまでの間と ソフトバンクのように「プラチナバンド」と言って一気に広げようにも 広いエリアをカバーするタイプのアンテナは1.7Gのイーモバイルには必要の無かったもので それを大きく展開するには大きな資金が必要となる訳です。
Category4対応と言っても それだけの幅を用意するためには3Gを停波する必要があるというレベルではなかなか 言葉だけで対応がしにくいわけです。
もう、いっそのこと3Gのお客さんにLTEを 無償で配って一気に切替えぐらいドラスティックな事をしない限り難しいわけです。
ただ、そうすると音声端末での音声通話が出来なくなってしまうという 音声を切り捨てるのかという選択も迫られてしまうわけです。
 
ソフトバンクに関しては何度か書いていますが プラチナバンドは一朝一夕には進まないし そうすると2G帯をLTEにすると 既にパンク状態の2Gを切り崩してLTEにとなるとこれも難しいソフトバンクなのです。
ここに至って、両者の利害は非常に近い物となり iPhoneをベースに考えるなら LTE Band3のイーモバイルLTEは認証方式さえなんとかすればiPhone5で使うLTEとして使えるわけです。
逆に、音声に関して言うなら2G帯も掴めるイーモバイルの端末なので 一斉にSoftbankに逃がせば全エリアLTE化もそう難しい事ではないのです。
これでLTE網はソフトバンクにとっては全国の市区町村のカバー率は一気に100%に・・・と話が進むわけです。
もう一つ、イーモバイルにはバックボーンの問題もあり 実はLTEに関しては既に固定IPを振り分けることが出来なくてローカルIPを使っている事から VPN等のサービスが使えないという状況なのです。
この辺りの問題も内包していたわけです。
今までどうせ借りていた イーモバイルもこのまま借り続ける事が出来るわけです。
 
KDDIも買収を持ちかけていたのは これは買いたたく方だったようで金額が折り合わなかったという事のようですが、今回のソフトバンクはひっ迫している事情もあり 釣り上げて買った訳で 大よそ1800億円と当初の評価よりかなり高く買ったようです。
つまり、イーモバイルに関しては予定していたよりも高く売れてよかったでしょうし ソフトバンクにとっては金では補えない分をカバーできたともいえるわけです。
もう一つ、LTE なのですが2G帯なのは日本をはじめ僅かな地域だけで どちらかというとイーモバイルの1.7G帯(1.8G帯に包括される)や今回手に入れた700M帯が国際的な基準に適合した周波数帯域なのです。
グローバルモデルの端末を安価に入手するというのが ソフトバンクの基本的な戦略で 今回のiPhoneでもAUとの決定的な差を見せたわけですが その分安価であることは確かなのです。
ここで国際基準の端末にシフトできるという事は ソフトバンクにとっては大きな今後のメリットにもなる訳です。
見事に両者の思惑がばっちりだったと思われるわけです。
 
さあ、困ったのは他のキャリアという所ですが 追い込まれたソフトバンクが何とか将来の見込みを立てたのもそうなのですが、ソフトバンクとしては既定の路線を継続できる道を付けたわけです。
もう一つ、ユーザーにとってどうなのかという点もあります。
ソフトバンクは色々と規制の多いキャリアなので これによって同じ規制が比較的緩いイーモバイルに持ち込まれてしまう事に危機感を持っているのは私もあります。
そして、MVNOのキャリアが少なからずあるわけですが この辺りのキャリアはどうなってしまうかという問題もはらんでいる訳です。
LTEを強行に薦めた場合、ここまで売った端末の入れ替えなど思った以上の手間がかかるわけです。
手がかからないからMVNOしたのに・・・・というのと
ソフトバンクも含めて一気に販売品目を増やされる可能性も捨てられないのです。
これは大手でないから MVNOしながら他のキャリアの物をメインで売れたわけですが MVNOソフトバンクだとすると 他のキャリアを売るのがどうかという微妙な立ち位置になるMVNOも少なくないわけです。
このあたりに未だもやもやした物を持っている訳です。
 
今のところ、何の発表もこの辺りに対しては無いのですが 何を言っても苦情の温情となってしまうソフトバンクの方針が待たれるところですね。



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