日本人も逞しくて安心した・・・・

ちょっと、台湾の話ではないのだが 会社に来たチラシが机の上に職場に行くと当たり前だが積んであった。
その中で目を引いたチラシが一枚・・・・
そのチラシはこんな内容だった

で、何がっていうのを少し説明してゆきたい。
 
まず、大まかなシステムなのだが
カラー印刷(A4限定)を多く使う企業に対する提案なわけだが
機器の導入は基本的に0円で、機器のレンタル料を毎月7350円(税別)支払うというシステムです。
月額でかかるのは この機器費用以外はインク代のみとなっています。
貸し出されるプリンターは インクジェットプリンターで モノクロ20枚/分 カラー15枚/分というものです。
インク代は4色(CMYK)セットで15750円となっています。
 
ここまで読んで、なにかおかしい物を感じなかったでしょうか?
インクジェットプリンタを家電量販で買えば このレンタル料ぐらいで購入できるし インクも家電量販ならこんなに高くない!!と言われるかもしれません。
おおよそ、このチラシはこの辺りをうまく説明できてないので 多くの企業で捨てられるだろうな・・・と思うわけです。
ところが、よくよく読んでみると 実は結構よく考えられている訳です。
 
インクジェットプリンター全般がそうなのですが 実に安くで出来ています。
APPLEで最初にカラーの物が出たころが20万ぐらい、Epsonの最初の民生機が確か7万円ぐらいで買った記憶があります。
現在、それこそ1万円マイナスで購入できるのは インクが各色セットで4000円〜8000円ぐらいするからで これを数回繰り返す事でインクのカートリッジの代金の利益率も含めて回収できる仕組みになっている訳です。
故に、他社製インクの発売にはどのプリンターメーカーもいつも目を光らせていて インクカートリッジに残量検出用とか銘打ってICを取り付けて、互換品を取り付けたら認識できなくするなどの対策を立てている訳です。
イタチごっこで ICチップを切り離して互換カートリッジに取り付けれるようにしたり、このICをリセットする機器を作ったりといろいろとやるわけです。
よくよく考えたら 高級だとは言え色水がこの価格というのはおかしいと言われればそうなのです。
海外ではこの辺りをかなりダイナミックに改造されたものも存在して タンクを大型化したりいっそのことプリンタ本体の外に大型のタンク(牛乳パックぐらいの物も・・・)を付けて運用している例もあります。
プリントセンターとかでもこういった機器が当たり前のように居て(もちろんKINKOSとかでは無い街のローカルな・・・です)1枚5〜6円でカラー印刷を提供しています。もっと安い所も。
海外のこういったサービスに関して言えば、かなり粗悪なインクを使っているのは見え見えで 印刷枚数も激しいので 利用してみるとかなりプアな画質でがっかりしたりするのですが よくよく考えると良く海外の繁華街などで貰う 割引チケットなどと同じぐらいの画質・・・・ニーズはあるんだと。
 
で、このチラシのプリンターなのですが明らかにHPのもです。
HPといってもホームページでは無くヒューレットパッカードの方です。
そしてプリンターの左側には見覚えのある大きなタンクが・・・・・ そう、海外で見るこれです。
上記のインク代なのですが 15750円は高いわけですが これで 約1万2千枚の印刷が出来るという事になっています。
大よそ、A3対応の大型レーザープリンターのトナーカートリッジと同じぐらいの印刷量です。
普通の企業の机の上のもので5000〜8000枚ぐらいですから。
とすると 1枚当たりのインク代は 約1.3円です。
 
例えば一日100枚印刷する会社なら
7350÷(100x20)なので 約3.7円でインク代が1.3円で合計5円ぐらいで1枚当たりの印刷が出来るわけです。
かなり一般企業向けとしては安くなります。
思わず をお・・・・と思う事でしょう。
じゃあ提供する側は?なのですが インク代の15750円は実は海外のレベルから行くと結構ぼっていて 1/3ぐらいでは入手可能です。
プリンターも前述通り 一月分の価格で入手できて この追加タンクユニットは US$20〜30ぐらいで海外では入手できます。
故障に関しては無償で対応となっている訳ですが 少なくとも二月持てば追加タンクユニットはそのまま使うとして 50%の利益で4か月同じものを使ってもらえると75%の利益、一年使ってもらえると91%ぐらいの利益となって儲かるわけです!!
双方にとってWIN WINなビジネスで・・・・ 何か忘れてませんか??
 
これはHPにとってゆゆしき事態なわけです。
インク代も総合して利益を確保している為に実際のところプリンターを売っても利益は確保できないわけです。
それを インクを使わずにどんどん使われて 下手をするとその印刷で1年以内に壊れたら対応させられるわけです。
面白いわけはないのです。
海外でもこの手のビジネスは良く何らかの形で規制がかかるのですが それを日本でチャレンジするとは!! やるな〜という感じです。
勿論、海外の人がやっているのかもしれませんが こういうパターンがありなわけですね。
さてさて、今後どうなるかなのですが・・・・正直チラシの出来と 胡散臭さが本来のメリットを覆い隠してなかなかうまくゆかなさそうな気はします。
私のように解っていると 訴訟リスクが怖くて・・・というのもあるでしょうし(解ってて使っていたという事で推定枚数から請求がある可能性も 海外では判例があります)
それでも、携帯キャリアの販売会社などとか それこそ水商売のチケットの配布など用途はさまざま
有りなのかもしれないわけですね。
written by HatenaSync