注目しながらもなかなか手を出せなかったのは ARMプロセッサーでのWindowsに関してはまたオオカミが来たーの扱いになっているから。
そして、ハイエンドSmartPhone用のプロセッサーの拡張版に8GのRAMと256GのSSDを搭載し 大きめの画面を付けてしまうと 当然ながらハイエンドスマートフォンより高くなってしまいます。
数がたくさんあって価格競争の激しいPCに比べて 価格競争の少ないこの手の商品は商品の競争力がある間は 同等のIntelプロセッサーのものより高く、商品価値がなくなった途端にOSのアップデートも行われないただのごみ扱いのものになってしまいます。
そういった商品に手を出すのは さすがに度胸がいるのだ。
今回は非常に間が良かったのです。
変な表現になりますが、Windows10においてはInsider Previewにおいて長いテスト期間があったにもかかわらず製品版はほとんど進展せず 致命的な問題点も解決されないままここまで来て 新品に関して条件は付くものの処分価格となってしまって それに引きずられるように中古価格が落ちている。
日本にいると新品の格安購入条件を満たすことができないので 新古品のような中古品を格安で狙うことができるわけです。
もちろん、安いだけでゴミをつかんでもしょうがないわけですが Windows11のARMへの本気度がAPPLEのM1チップでのヒットによって煽られたので暫くは燃えてくれるだろうという見込みもあってなのですが・・・ 今時点では微妙な商品であることは確かです。
とても人には勧められません(笑
ArmのCPUはRISC系でIntelやAMDのCPUはCISC系と根本的にアーキテクチャー(この後はx86と表記します)が異なります。
前者は、短い命令系で短時間の処理を得意として どちらかというと小型の制御用などの用途からスタートした物で、x86のようなCISC系は多数の命令を用意し プログラムを組む側に優しい 必要な命令を徐々に足していって今に至るというアーキテクチャーで 命令が複雑になるあまりに多数のパイプライン構造とキャッシュ構成など複雑さを年々増してゆくようなCPUとなっているわけです。
どっちが優れているかというより、時代と用途が決めたようなでデファクトリースタンダード的な進化を進めていたのです。
メモリーや記憶装置が遅く処理も遅い時代は 専用の計算回路を使ったほうが効率よく早く処理できるのでx86系の時代があり、メモリーも記憶装置も潤沢で処理速度も速くなってきて 高度な開発言語も使えるようになって 今がその過渡期にあたるのでしょう。
実はというか、大きなくくりで言うと 現在のIntelやAMDのCPUは内部的にはRISC系の処理を内部でやって 外部的にはCISCのように動いているという形なので今や両者のWindowsのようなプログラムの実行となるとハードウエアで命令をエミュレーションするかソフトウエアでエミュレーションするかのような違いとなるわけです。
APPLEのM1 CPUはARMアーキテクチャーのものですが ベンチマークソフトにおいてIntelやAMDのCPUの上位と同等のパフォーマンスを示しています。
ソフトウエア的なエミュレーションでWindowsを動かしても ミドルクラス以上の結果を出しています。
もちろん全般的ではなく 部分的な得意不得意にはなるのですが ベンチマークは一般的な使い方を示すものだとするなら結構なものだと思うわけです。
仮想マシンをたくさん置いての処理など 必ずしも一方的な結果にならないこともあるのでだからもうなくなってしまうと単純に言うようなものではないのですが、今回のような持ち歩きに特化したPCだとするとこれらは驚異的な結果となるわけです。
今後、持ち歩きPCに関してはこちらに代わってゆく可能性すらあるわけです。
何回も書きましたが
Windows10においては ARMアーキテクチャーで書かれたプログラムもしくは x86(32bit)のプログラムのみの実行でしたが、Windows11においては ARMアーキテクチャーのプログラムとx86(32bit)、X64(x86の64bit)も実行可能になりました。
そしてエミュレーションの効率を上げるためにプログラム内で混在しても大丈夫な構成をも可能になったわけです。
ハードウエアをチェックして効率的に動くものや、セキュリティを高めるもの、一部の古い関数を利用しているものなどを除いてかなり動作するものが増えてきています。
私などは気を付けてプログラムをインストールするたびに確認したりしますが 意識しなくても困らないほどのレベルにまでなっていると思います。
もちろんARMアーキテクチャーで書かれたものは速いわけですが 特にx64は普通のPCと遜色のないレベルで動作するわけです。
現状、ブラウザーをEdgeにしてChromeを使っていないのは 遅いからではなくバッテリーの消費が激しいからで使用感としては十分な性能を持っているのです。
ゲーミングPCが欲しいとか、CADや動画系処理をするとなると必ずしもエミュレーションする必要はないかと思いますが そうでなければモバイルPCを使うほとんどの人が要求を満たすレベルではあるのです。
消費電力が小さいことは バッテリーを小さくでき電源回路も小さくなる。
例えばGlaxyBook Sではスマートフォン用の最も小さいレベルの高速充電器で USB-PD規格対応の20W程度のもの(純正が25Wでした)があれば充電可能です。
(遅いけど)
これらは GaNタイプのものであれば いわゆるサイコロ上の極小のアダプターで実現可能なのです。
列車や飛行機のAC端子の容量の不足しがちなコンセントでも十分動作可能です。
もちろん、それ故にUSB端子に繋いで動作する外付けHDDなどを付けると 動作が不安定だったり びっくりするぐらい電池が減ったりするわけです。
これは、20000mAぐらいのモバイルバッテリーと同様の容量なので PD対応のものであれば十分にそれでも動作可能なのです。
昔ノートPCはバッテリーが外せて 予備バッテリーは常に持っていたわけですがそれに比べると汎用のものを持ち歩くだけで充電可能です。
もっとも、二日ぐらい普通に使えるみたいなので それが必要かどうかがも疑問なのです。
Windows11 on Armは日経新聞に上がってくるような大々的な記事にはなりません。
ですが、数年後には当たり前になって現在の半導体マップが大きく書き換わっているかもしれないのです。
また、オオカミが来たと成るかもしれませんが それでも今回こそはと乗せられてみたりするわけなのですがどうなるのでしょうね?