ラウドファンディングのKickstarterで投資した結果として Titan Slimが到着した。
9月予定だったのが 7月に到着するというのは正直 IndiegogoやKickstarterでの参加では初めてのケースだ。
双方に もう絶対来ないだろうなという不良債権も 片手で数えられないぐらいは持っているので必ずしも 安く手に入れられてよい仕組みだということではないということはここでは言っておこう。
Titan SlimはUnihertz社の発売するSmartPhoneの1機種です。
では、何故 こんな方法で入手しているかというとやはり珍しいタイプの端末だからです。
この会社は ニッチな市場を狙った会社で 世界に向けた高機能の端末を発売するわけではなく ミドルレンジの真ん中から下ぐらいのちょうどいい性能の カメラもまあこれぐらいならという性能の端末を数機種開発している会社です。
ただ、手のひらに収まりそうな小さなSmartPhoneとか 今回のように物理フルキーボードのついた端末などを細々と作っている会社なのです。
さて、キーボード付き端末ですが
モバイルデバイスの歴史は文字入力の歴史でもあります。
最初に手のひらを意味する「Palm」という名前にあるように 手のひらサイズの端末こそが持ち歩くのに適した端末だと早い段階で認識したものの それを叶えるためにはいくつもの問題がありました。
画面の小ささによる視認性、小型化による放熱性の低さから上げられないスピード、部品の点数が少ないことから実装できる機能の少なさ、小型である事ゆえのバッテリーの小ささ(駆動時間の短さ)そして、今回の本題となる入力装置の問題です。
今を生きる若者たちにとっては、画面をタッチ スライドする入力方法が当たり前となっているかと思いますが当時のユーザーにとってはそのタイプの入力が存在しなかったため(正確には精度が低く触ったかどうかをわかる程度の性能しかなかった タッチスイッチ程度)画面を押した際の圧力でスイッチが入るタイプだったりしたわけです。
画面に圧力をかけたまま描画するわけですから今以上に分厚くかたいガラスが必要で安定した圧力をかけたままの描画は慣れ以上の操作を要求するものでした。
そして、アジアの小国に住む身としては 「漢字」という英文字の数百倍の文字数を扱うためにその入力方法もより複雑化したわけです。
津語彙の悪いことに、前述したほかのいくつかの問題で スピードが遅く電池も持たない メモリーもたくさん持てない端末ではかな入力して今のように変換して前後を判断するような高機能な変換はしてくれず 1文字ずつの漢字を選択しながらの入力しか出来なかったのです。
正統進化の道筋として、前述と書いた性能やバッテリーの問題が解決して 今のような精度の高い静電タッチパネルなどが出てきて 今のような入力となるわけですが、幾分趣味性の強い方々は 別の進化の方向性を模索したものの一つが 物理キーボードなのです。
最大の問題点は 端末のサイズの小ささゆえに豆粒より小さなキーでの入力やその場所を確保するために画面が小さくなることなどの欠点もありますが、圧力式のタッチパネルに小さなスタイラスで文字を書くという苦行をくぐり抜けた人たちにとってはそんなことは小さな問題だったわけです。
また、PCの操作に慣れているというか PCこそ生活のすべてというほどに使っている人たちにとっては 外に出ているときに使えるPCのようなものとして同じ入力方法であるということは大きな利点となったわけです。
漢字の変換が少しぐらい悪くても 入力速度でカバーできたキーボード付きの端末はある意味 PCマニアのために作られた手のひらデバイスだったわけです。
今でもいくつかのメーカーが作っていますが まるでモバイルPCのように開くタイプで片側にキーボードのついた端末と、画面のサイズを犠牲にしてでも画面の下にキーを付けたタイプの二種類が代表的なタイプして存在して 今回のTitan Slimはその後者のタイプです。
古くは多くのメーカーが発売して、有名なのはNokiaとBlackberryなのですが残念なことに両社とも端末制作部門を分割して売り渡してしまっていて こういうタイプのキーボード付き端末を扱う大きなメーカーは既に存在しません。
というか、すでにこのタイプの端末を作っているのはここぐらいではないでしょうか?
このメーカーでは3機種目のこの端末ですが なぜ今頃買ったのか?
前の二機種は正直使えないと思っていたからです。というかこのタイプの端末はもう出ないだろうと思っていたからです。
何故なら、端末の形態のスタンダードが決まっていない当時なら 画面のアスペクト比も自由だったしそれに合わせたアプリケーション開発もされていましたが 今や4:3の画面ですら対応しないアプリケーションが出ている時代に 正方形の液晶では使うことが難しいのです。もちろんWEBのページを見ていて 何か入力するときになったときに プルダウンボックスの中身が見えなかったりと入力そのものがままならないのです。
もちろん回避の方法は沢山あるのですが そこまでして使うのかと自分に問いかけたときに手が止まってしまったわけです。
ですが、現在大画面と可搬性を求めるあまりに 徐々に縦長化が進んでいるSmartPhoneのトレンドが16:9の画面にキーボードを付けても今の縦長SmartPhoneと同じぐらいのサイズという状況がこの商品を誕生させたのです。
時代というのは面白いもので新しいものが古いものが存在できる土壌を作り出したわけです。
最初に書いた通り 今となってはミドルローの性能の端末に解像度の高くないディスプレイの組み合わせですので性能は推して知るべしです。
大量生産メーカーではないので 超薄型基盤や専用設計の部品を使えないこともあり 明らかに分厚く重いというのが実際の印象です。
ですが、普通のAndroidアプリケーションが動作する 普通の端末にキーボードが付いたという形を成立させています。
この画面下にキーボードのついた端末の利点は なんといっても文字入力に適していることです。
指の移動距離が少なく画面を見なくても入力ができてしまう(もちろん慣れがあっての話です)というのは何にも代えがたい特徴です。
多少癖はありますが、専用の入力IMEはキーボードで使うこともよく考えられています。
もちろん海外のメーカーですが 日本の入力もよく考えられていてというか 半分は日本人が買っているんじゃないかと思うような勢いです。
久しぶりに日本人向けのページが用意されている海外商品ですから。
実はこの記事もこの端末でと言いたかったのですが 流石にPCのある環境で長文は辛いです(笑
でも、まあまあ途中までは入力したのでできなくはないレベルです。
今は、クラウドベースのエディターを使っているので 部分によってはという使い方や途中で入力端末を簡単に切り替えるなども自由にできるので そういう使い方をするとしても悪くないのです。
今はSIMを入れていないのですが テキストエディターなどは通信環境がなくても使えるので そういう意味で文章を書くなら入れずに持っておいてもいいかなと どうせWifi環境に入ればPCでそのまま続きをとできるわけですから。
SmartPhoneとしてはまだ使えてないのですが なんかちょっとワクワクする端末だなと触り始めました。