2003-12-01から1ヶ月間の記事一覧

伊藤探偵事務所の憂鬱81

非力なエンジンである。少なくとも今の常識では わずかな高度の上昇がエンジンの力を奪ってゆく。 西下さん:「思ったより遅い・・・・・間に合うか?」 やまさん:「どうせ、長くは続かないんだ、無茶するぜ」 操縦桿の下のレバーを少しだけ引いた。 機体は…

伊藤探偵事務所の憂鬱80

やまさん:「fire !!」 後続の機体への体当たりに進路を変更したにも関わらず 前の機体への照準は殆ど狂っていなかったのは 恐らくやまさんもこういう事態を予測していたからであろう。 ジェットの一閃で後続のヘリが離脱したときに発生した気流が 機…

伊藤探偵事務所の憂鬱79

機体は大きく弧を描き降下を始めた。 相手に探られないように、右に左に機体を振りながらこちらの意図を読まれないように 進路を後ろの機体に向けて見えるように降下してゆく。 機体強度の少ない ゼロ戦では機体の震えを押さえることが出来ない。 西下さん:…

伊藤探偵事務所の憂鬱78

所長:「arie君それは 駄目!」 ぬりかべさん:「間に合わない、みんな逃げろ!」 KAWAさんはフルーツバスケットを抱えたまま 僕はあっけに取られたまま両脇に二人を抱えてぬりかべさんは部屋の外に走り出した。 所長は、両手を出して止めていたが、…

伊藤探偵事務所の憂鬱77

その非力なエンジンながらも軽い機体は高度を上げてゆく。 西下さん:「空中戦の基本は高度です 特にパワーの無い機体・・・」 やまさん:「そんなことは若造に言われなくてもわかっている。それよりここまで離れたら追ってこないんじゃないのか?」 西下さ…

伊藤探偵事務所の憂鬱76

時を同じくして、王宮各地では小競り合いが始まっていた。 誰かが呼んだものでもなく、街が停電したタイミングで気がついた旧政権を支持する者たちが立ち上がったのだった。 もともと、平和な国なので絶対的に武器が不足し、人数の抑えるすべも無く戦局は混…

伊藤探偵事務所の憂鬱75

KAWAさんのスピードと意外性のある攻撃。 それに対して ぬりかべさんの重厚感のある攻撃。 ぬりかべさんにやられた兵士は、恐らく腕が違いすぎることを実感し KAWAさんにやられた兵士は 何が起きたか理解できないまま倒れたであろう。 何の打ち合わ…

伊藤探偵事務所の憂鬱74

丁寧に、KAWAさんは胸のポケットから出した武器を袋に詰めて僕に手渡した。 KAWAさん:「重いけどしばらく持っていてね!」 いつもの優しい意笑顔でKAWAさんは言った 両方のこぶしを握り空手の構えのような肘を引いた構えを取った。 膨らまされ…