番外編 伊藤探偵所長の苦労 2

王国と言うのは 独占されるべき権力が国王によって把握されている。
だが、王に生まれる人が全て王になる素質を持っているわけではない。ゆえに王制が消滅していったのである。独裁制についてもしかりである。
唯一、続く方法は何らかの方法で 王候補の中から優秀なものを王にする方法で生き残ってくるのではあるが これは 各候補を巡って権力が集まり国を割るだけの結果になることで国を壊してゆく。
唯一の 長期間に続く政権は宗教によるものだけである。
だが歴史が物語るように 他の国との情報の交換があるとだんだん それが揺らいできて分裂してしまうことが多い。
幸いにも、他の国と隔離された事、戦場であるほかの国に出て行きたい変わり者がいないことが王制を長く続けていけた理由かもしれない。
ともあれ、それが善政をひき 国を富ませているのであれば悪くないことであろう。
王宮に入ってから 奥の最も良い場所には神が宿り つまり神殿がある。
神官は 王族の血を引く女性で 王と王が認めた者以外とは話をすることは出来ない。
そうして、血の結束を繋ぎ 特殊な能力を育んできた。
その、神官に会えると言うことは 国賓待遇であると言うことが伺える。
普段どころか 一生の内で二度と食べられないような料理もそれを物語っていた。

神官:「空と砂と水の聖霊が騒いでいます」
もちろん通訳を通じて聞けるのであるが
国王:「全ての聖霊が騒いでいるようですね ここのところずっとそうなんです。信じられないかもしれませんが 聖霊があなたを呼び ここへ招待したのです」
神官:「あなたには 一週間後に辛い運命に会います しかし 運命はどうなるかはわかりませんそれでも協力してくださいますか?」
「そこまで解っているなら 結果は解っているんでしょ」
国王:「では、三日後まではゆっくりお遊びください その間はこの国の国賓として歓迎させていただきます。」
三日間の夢のような生活が続いた・・・・