伊藤探偵事務所の憂鬱 32

清掃作業員:「予想より一日早かったのは 活躍しすぎたせいか。手は出さない契約だが 少しぐらいお嬢ちゃんにてをかしてやるか」
夜の闇の中、赤い車が走り回る消防車
空き地のはずの駐車場で車が炎上した。
多くの大型施設にあるように 泗水栓が百貨店にはありそこからの水で消火された。
どこの施設も同じなのであるが、なぜか泗水栓は勝手口の傍にある。
理由が無いわけではなく、勝手口には警備員が必ずいて もしものときの施設の保全がしやすいからである。
給水中には そこに消防士 警察が詰めることになり より一層強固な警備が人の出入りを困難にした。
謎の老人:「今日は足止めか・・・・」

KAWAさん:「いっちばんおいしい けーきは ど〜〜〜〜れ! あっの子も こっの子も た〜べたげる」
元気良く先頭を歩くKAWAさん
「KAWAさん、静かにしてください。 目立ちすぎます」
仕事ではなく恥ずかしいから止めるぼく。
全く違うグループのように 目線すら合わせないarieさんと西下さん
周りに鋭い視線を送るこわ持てながら、おかしな若作りな格好をしているとどさん。
入り口のショーウインドーで引っかかっているぬりかべさん
一緒のグループと思っていないだろうと思うが 一緒のグループだと解れば驚くだろう。

入り口の受付の案内所で 
arieさん:「社長を出してくれる?」
受付嬢:「はい?」
arieさん:「社長に合わせろって言うのが解らない?」
受付嬢:「あのー、どちら様ですか?」
arieさん:「伊藤探偵事務所」
明らかにいらいらした表情で 言い放った
後ろから男の声が聞こえた 「いらっしゃいませ」
aireさん:「パス1」
西下さん:「パス2」
とどさん:「あっしも パス3」
三人が男から離れた場所に移動して 僕が一番その男に近い位置にKAWAさんと押し出された・
KAWAさん:「へんな おひげー」
けらけら笑いながら言った。
後ろの3人は 声も無くでる笑いを堪えていた。
男:「所長は 今日は来てないのか?」
arieさん:「誰かに会いたくなかったから 今日は来なかったわよ」
後ろを向いたまま声を出した。
男:「怪しげな連中が集まったものだな。今日は お祭りでもするのか?」
嫌味な笑いの男、確かにおかしなちょび髭 縮れたちょび髭の中途半端な伸び具合が顔のバランスを可笑しく感じさせる。背も低く、ぼろぼろのコートだが 汚い袖口から見える腕は丈夫な 男くさいそれであった。
KAWAさん:「お祭り だ〜い好き」
男:「誰だこのうるさいの! そこいら辺のごみ箱にでも入れとけ。 うるさいのが聞こえないように蓋がついたやつな」
KAWAさん:「ぷぅー!! あなたも冷蔵庫になおしちゃうわよ 臭いからキムコと一緒に」
やはり 後ろのいつの間にかぬりかべさんが合流して4人になって 声を殺して後姿で笑っていた。
arieさん:「副所長、挨拶しといたほうが良いわよ 馬鹿がうつるから」
男:「お前が副所長か!」
男はKAWAさんたちにからかわれた恨みを全て僕にぶつけるように 首を締め上げ腕の力だけで僕を持ち上げた。
男:「始めまして、副所長さん お仕事熱心なのも結構ですが私どもが先にお邪魔しておりますのでお帰りいただけますか?」
人間業とは思えない怪力で 僕の首を締め上げて声が出ない。
arieさん:「そうしたいけど、あんたがたが無能だから帰れないって 副所長はおっしゃってられるわよ」
言ってない 言ってない。 お願いだから手を離して。
男:「何?、お前らがかき回さなければちゃんと解決したんだ いつも」
首を締める力が一層強くなった。苦し紛れに 手足を振り回した。
偶然にも振り回した 手が頭に当たった。苦し紛れの力だから相手にダメージを与えることなく頭の上を滑っていった。鬘と一緒に・・・
男:「うわー」
KAWAさん:「つるつるつるつる ぴっかー」
堪えきれず みんなが大声で笑った。