下妻物語

読みました。
久しぶりにフィクションを。
最近、というかここ約半年 殆ど物語と言うものを読んでいませんでした。
勿論、ゼロでは無いですが 空港で買うのも 漫画か実用書(実用になるものはありませんが)が英会話の本。
飛行機の中、上がったり下がったりするときに読むぐらいです。
純粋に楽しめなくなったのがその理由です。
考えちゃうんですよね、自分なりの表現と展開を。
それと、この前も読んだんですが「銀河英雄伝説」の作者のあのお方、引っ張られちゃうんです。
私のキャラクターの性格が変わってしまったりします。
どちらのパターンになっても、後日 強烈な後悔として襲ってきます。
もともと、文章を書く事を仕事にしている訳でも無く、今回の「伊藤探偵・・・」が始めて書くものですから そりゃーいい加減奢りすぎだとは思うのですが やはり人間が基本的に馬鹿だから(大阪弁でよく使う表現なので、もし言ったとしても気にしないで下さいね)後悔と高揚を交互に繰り返しています。
で、今回キャラクターの運用に行き詰って・・・(才能が無いからしょうがない)東京行きの飛行機に乗る直前 空港の本屋でごそごそと本を買いました。
下妻物語(しもつまものがたり)」サブタイトルが「ヤンキーちゃんとロリータちゃん」
すごく、そうすごく馬鹿にしていました。
これなら、負担にもならずに笑って読めるだろうって(すいません、心からお詫びします)
なんでも、映画化するのでベストセラーの棚にあったようですが、元々日本映画に懐疑的な私は それが作品に対する第一印象を尚下げて逆に気軽に購入できました。
勿論、他に欲しい本が無かったからなんですが。
正直、面白かったです。
女の子二人の物語で、喋り方、感情表現、考え方 何かが参考になればぐらいに考えていた私の頭を、後ろから“がーん”とぶちのめしてくれました。
たしかに、お話はすごくエキサイティングなものではありません。
感情に関しても、こんな事考えている子はいない と思わせるぐらい飛んだ話です。
また、組み合わせも意外性を狙ったものでしょうが、たった二人の登場人物、何人かの脇役はいるものの基本的に二人だけで話が進む。
それも、一人称で最後まで通されています。
何度もいって申し訳ありませんが、考え方のおかしさを繊細な表現でまるで実在の人物のように生き生きと描いています。
一人称なので、相手となるもうひとりの行動とその考え方は彼女の想像の域を出てないのですが、その読んでいる側との微妙なずれ。
そして、ずれはこちらにあったと何度も感じさせてくれる、やさしい描画。
大ファンになってしまいました。
最初に、あれだけ馬鹿にしている手前、作者の方にファンレターなんてとんでもないので、ここにご紹介します。
お話は、もし興味があればご覧下さい。
私なんかに言われても、何の保障にもなりませんが満足される一冊に成るかと思います。
いつも、馬鹿にされるのですが、家に帰ったら奥様にお勧めします。
 
ISBN:4094080236
作品名:下妻物語
作者 :嶽本 野ばら(たけもとのばら)

追記:
あまりに失礼な事を考えたので、もう1冊改めて買います。
どなたかにプレゼントしたいのですが・・・・・、ご希望者の方連絡ください。