X50VとX51V

出来れば胸のポケットに入れたい!!
思えどなかなか実現しないことです。
液晶は大きくしたい、解像度も高くしたい。
そして、高速に動作して欲しい。
勿論、バッテリーの持ちがよくて SDスロットが欲しくて・・・・
そして、無線はカードではなく内蔵して欲しい。
なんて、ずいぶん都合の良い話です。
SmartPhoneと呼ばれるものが優れているのは 液晶のサイズはともあれ上記の要件を満たしているからでしょう。
 
例えばPalmでTreoやPlamTX
標準のブラウザーを立ち上げると標準のページが表示あされます。
幾つかの項目に分かれたボタンがあるページで かなりシンプルな物です。
そう、まるで一昔前のi−modeのメニューのような・・・・
それが基本画面で、どちらかといえばPalmで使うのに 軽くてデータ量が少なくて表示の速い風にチューニングされたページです。
勿論、日本語が通るわけではありませんが 電話に繋いでも快適に使えます。
PlmTXはその本体の殆どの部分、ボタンと僅かなふちを除いて全てが液晶画面になっています。
さほど高速ではありませんが、1M程度のMpeg4を標準速度で(等速で)表示できり程度のパフォーマンスが有ります。
厚みは薄く、SDスロットもあり バッテリーの持ち時間は特筆物です。
一週間をPIMだけに限って言えば充電する必要は先ず無いでしょう。
 
これがWM系となると変わってきます。
最もバランスが取れていそうなのは h4150等のPocketPC。
もちろんh1920から始まるローエンドな機種の延長線でもよいでしょう。
バッテリーの持ち時間は満足なレベルではないかもしれませんが、その小型のボディは使いやすく裸であれば胸ポケットに収まるほどの物。
当然、ローエンドな19XX系であれば 2〜3万円程度の価格でもしも何かあったら悲しいけど買い換えられる金額でポケットに投げ込んで使う事も出来ます。
しかし、欲望にはきりが無く、QVGAの先にはVGAという構造のWM系は その先にVGAへと進みます。
当然、解像度が上がれば点あたりの面積が小さくなりその有効性を生かすために画面はどんどん広くなります。
4インチの画面サイズを持つh4700へと進みます。
でも、出来るだけコンパクトにと X50Vは生まれてきます。
 
サイズは申し分ないものでしょう。
二つのスロットを搭載したのはすばらしい物です。
当時は通信機器としての選択肢は 恐らく経済的な面も含めてPHSになりますから通信前提で考えるのであれば他に無いという構成。
大きく制約を受けたとすれば、デザインが先行したと思われるパッケージングゆえに それまでのPDAに比べてあまり変わらない液晶サイズであったことでしょう。
中を開けてみると両面に部品が実装された基板が2枚重ね合わせれて入っています。
そして、その中でもメタルのカバーがかけられた部品があり その下にはCPUや2700Gといわれるグラフィックチップが収められています。
ただでさえ苦しい中に、まるでスペックこそが全てといわんばかりに詰め込まれています。
DELLらしい選択でしょう。
ラインナップではなくライバルを蹴散らすのは ただ一点「全てに使えるほどの高性能と 低価格」
もちろん、DELLがそういったわけではなく私が曹感じただけです。
最新の一クラス上のスペックのCPUを同価格で搭載したDELLのPCはグラフィックはチップセットに同梱されたものを使い Intelとの協業かとにかく安く仕上げてきました。
ゆえにシェアを伸ばし続けていたのでしょうが・・・
HPの合併が理由でしょうか DELLの伸びが思わしくなくなります。
CPUの見かけ上のスペックが向上しても、体感的な速度は変わらず顧客の訴求する購買意欲に必ずしもいっっちし無くなってゆきます。
今では消費エネルギーあたりの仕事率などが指標になれば、何を売りの中心にすれば良いのか判らなくなってしまうからです。
省エネルギーの率が何処までも高くても、ある一定の性能は必要だし 二つのバランスであれば他のメーカーより飛び出すほどの差は見せ付けにくいのです。
 
同様の事がPDAでも起こります。
スペックはすばらしい。恐らく唯一に近い3Dアクセラレーター機能を持ったPDAでしょう。
サイズはHPのローエンドに近いサイズ。手帳として最も使いやすいであろうサイズです。
Bluetooth、Wifi、VGA、ステレオサウンド、64MRAM、128MROM、CFメモリースロット、SDスロット等 カタログの表記の中ではこれさえあればという項目を見つけるのは難しいことでしょう。
そして、価格は比較するべきメーカーより 同じスペックだったらという仮定では 十二分に安く設定されている。
でも、すでに時代は変化していたのです。
Palmでは200Mが標準になり、WM系では300Mが標準になり 一部デバイスでは200Mでも十分に動作します。
必要以上のスペックよりも 2700GのCPU並みの消費電力とコンパクトなパッケージングが搭載できるバッテリーのサイズを小さく制限しました。
バッテリーの持たないPDAというのがX50Vの評価です。
使い方によっては1時間足らずで力尽きてしまうPDAなのです。
勿論、発生する熱も馬鹿にならず 発熱源を多く持って、そのうえ極端にコンパクトに作られているので中に篭る。消費電力が多いので バッテリーに対する要求が厳しく 電流量を多く要求するPDAに供給するためにバッテリーからの発熱も馬鹿になりません。
振るブラウザーを実行し続ける 携帯電話のような状態です。
 
それでも、名機だと私は信じています。
社外品ながら、僅かのサイズアップで約倍の実働時間になりようやく他社のPDA並みになり サイズは少し大きくなった物の実用化した頃には 製品のライフサイクルは他社では次の世代に移ってきた頃です。
十分に、次世代、次次世代 現在の世代のPDAと比べても見劣りする物ではありません。
速度だけなら匹敵するPDAを持ってきてくださいと自信を持っていえる性能です。
レアというのか、個性的と言うのか これを持って使っていることに私も自信を持っていました。
でも、壊してしまいました・・・・・
 
X51VはX50Vの後継です。
ハード的なスペックは全く変化していません。
いえ、細かい部分では変化しています。
フラッシュメモリーエリアが大きくなって、新しいOSに合わせてサブバッテリーが無くなっているようです。
プログラムの多くはフラッシュメモリーエリアにあり RAMエリアには基本的には実行されるプログラムだけがロードされる 必要が無ければフラッシュメモリーエリアだけで実行される仕組みだと聞きます。
フラッシュメモリーとRAMであればフラッシュメモリーの書き込みはぐっと遅くなりますし おそらく読み出しも少し遅くなるはずです。
実行中のプログラムも、フラッシュメモリー上で実行される場合にも遅くなります。
その代わりバッテリーがなくなったとしてもデーターが無くなる心配をせずにすみます。
少なくともフラッシュメモリーにデータがあればです。
遅くなったといっても、この子は最も速い部類に入るPDAなのです。
 
W−Zero3はPDAとしてよい機械だと思います。
ただ、X50Vユーザーにとってであれば 重い、大きい、そして遅いPDAと感じられました。
X51Vを使った今において、X50Vは明らかにX51Vよりも早く動いたように思われます。
ただ、CF(MicroDriveにソースデータをおいて)4時間と少しの音楽再生を標準バッテリーでX51Vはやって見せました。
X50Vのバッテリーは、私の長い間の運用でもう駄目になっていたのかもしれません。
しかし、2時間程度で息も絶え絶えだったX50Vに比べて それだけの時間の伸びは貴重です。
もちろん、正確な数字ではありません。
X50Vでのバッテリーが枯れる状態は全てのデータを忘れた状態。そこまで怖くて音楽を掛け続けることはできませんし 途中で本体が自らを保護するために止まってしまいます(設定は出来ると思いますが)X51Vはほぼ立ち上がらなくなるまで動いたので バッテリーの消費が半分になったと単純に比較できることではありません。
ですが、事実上の運用で私の場合倍になったのです。
 
お陰さまで、X50VはともかくX51VはMDに長時間バッテリーを供給し続けられないであろう事もわかりました。(これが原因で壊れたのかもしれない)
速度は、個人的満足のため。駆動時間は実際の運用の為に大きく役に立つでしょう。
では、X51VというPDAはどうなのでしょう?
恐らく最大の欠点であるバッテリーの問題の多くを緩和する効果があったと私は思います。
もちろん、確認する限りはCPUのパフォーマンスをAUTOで使っていると X50Vに比べてX51Vが遅いモードで使っているように見えること。等の差はあります。
趣味の世界で 「良い」と思えるX50Vに対して、実用的な面で 「良い」と思えるPDAに進化したような気がします。
W−Zero3やesも良い機械です。速度は通信手段と比例しており バランスと言う面ではあれ以上の速度にこだわる必要は無いでしょう。
しかし、X50VやX51Vにも是非触れてみてください。h4700にも是非触れてみてください。
必要ないと思われる速度でも、体に感じる感覚では 「あっ、速い」と感じさせてくれるところにも快感が住んでいますので