全然電脳と関係のない話なのですが

「名探偵」といわれる方がいらっしゃいますが、もちろん小説や漫画などの作りごとの話。
私も昔は少しかじったりもしましたが、思った以上に話を構成するのが難しい。
そう考えると、シリーズものの話が思った以上にというか非常に少ないというのもわかる話。
 
通常、事件が発生して警察が呼ばれて行ってそこから捜査が始まります。
そして、それでは解決に達しないと思われるという判断があって それから探偵に依頼が入る。
頼まれもしないのに事件に首を突っ込むのは完全な越権行為で 「個人情報保護」の観点からも勝手に周りで情報を集めて解決したとしても その内容を簡単に喜べる状態ではない人たちも少なくないはずです。
例えば犯人の身内などでは、その行為を訴えることがあってもおかしくないわけです。
現実的な視点から考えるとそうなのですが、やはり 警察などが手をこまねいている事件を 一気に解決する姿は爽快なものです。実は個人的にはかなり好きな方なのですが。
名探偵コナン」という漫画(アニメ)がありますが、ネットではよく叩かれているのは必ず事件の現場にいること。
毎回一話完結というわけではないのですが そうだとすると年間約50件の事件現場にいるという忙しい生活を送っています。そのことを不自然だという向きもあるのですが 前述の操作される側の立場などをあげつらうのと同じで わざと面白くなく見たい人たちの楽しみ方で 私は喜んで見ているわけです。
ただ、考えてみれば彼は本当に名探偵かという結論も考えられるわけです。
 
初動捜査という言葉がありますが、証拠集めと現場の確保が最も大事で 事件があった時そのままの現場が確保されていればいろいろな情報を得ることができるわけです。
では、コナンの場合を考えると 初動以前にエスパーのように現場に居合わせるわけです。
そして、事件前と事件後の現場の比較などが解決の糸口となることも少なくありません。
もちろん、容疑者たちの言葉や持ち物からキャラクターを特定することも行いますのでそういった意味でも現場にいての話です。
その上、「密室には事件が起きる」というのは有名な推理作家の言葉で 密室でなければ容疑者が多すぎてお話が複雑すぎて話そのものが大変になるわけです。
どこかの推理小説家が「密室探知機」を開発できれば事件をそれで探し出せるのでは・・・などと言っていたことからもわかるわけです。
また、シリーズとなる推理小説にはよく敵対するキャラクターが出てきます。
コナンなどはスペシャルでライバルとなる盗賊が出てきますが、事件の発生と犯人が判っていているという前提からスタートするわけです。もちろん、コナンの場合は犯人が別にいるということにキャラクターの行動の矛盾から見抜いてしまう場合が多いのですが・・・
基本的に犯人ありきでストーリーが展開するので、捕まえることや同様の事件が続かないように止めることに重点が置かれるわけです。
もしくは、犯人が分かっていて それを特定するための証拠探しに時間の多くを割くこととなるわけです。
 
名探偵かどうかというところなのですが、通常は誰ももちえない情報を先に持っているという前提からスタートしているわけです。
例えば、「事件最中、もしくはそれ以前の現場の情報」、「断定される犯人」、「明らか過ぎる動機」などである。
また、コナンであれば子供というキャラクターを利用した行き過ぎともいえる潜入などである。
それがあっての推理であれば、名探偵であり得るのか?ということもあります。
ただ、よく考えてもらえばわかるのですが 「コナン」が自分で名探偵を名乗ることなど一切実はないのである。
積み上げた理論と、そこから得られる情報から事件を解決しただけで 名探偵などと思うことすらおそらくないのである。
それであればこそ、結果として彼らは名探偵足り得るわけです。
 
以前も書いたことがありますが「西澤 保彦」という人の推理小説があるのですが・・・
超能力を使った犯罪を取り締まる「神麻 嗣子」というチョーモンインが利用された超能力の種類と場所を特定する機会があるという前提で、実際に起きている事件とその観測結果を組み合わせて事件に対する捜査を始めるのです。
実際の解決を「神麻 嗣子」がすることはないのではあるが(このあたりは原作を読んでいただきたいので、書けません)普通の捜査をする人たちに得ることができない情報を得ているという段階で、前述の探偵たちの話と同様の場面を設定しているわけです。
発見するべききっかけはともかく、解決するために超能力を使う事も無く多くの場合人の感情こそが事件だという結論に至るわけなのです。
面白い推理小説(漫画やアニメも含めて)に関して言えばこういった不自然足りえない舞台を作るという条件を満たすストーリーが書けるということなのであろう。
力技というと変な話だが、それが「超能力」という禁じ手を使ったとしても この話が本格的推理小説であるという結論に何ら変わりはないと私は思うのである。
ホームズも、当時最先端と思われたり 間もなく発明されると思われている機器を使ってありえない状況をあり得る状況だと証明するに至っているわけだからです。
 
電脳機器と違って、こうやって考えたところでどうということはないのではあるが 久しぶりにこの人の作品を読んでみて考えさせられたりしたわけなのであるが・・・・
読み始めるのであれば、このあたりから・・・・

念力密室!―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)

念力密室!―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)