アナログの良さ

今日朝、会社の掃除を掃除機でしていて 絨毯用のターボブラシというのでしょうか先端のノズルの音が鈍いので開けてみました。
元来、女性の多い職場なので 当然長い髪の毛がブラシに絡まっていて周りが悪くなっていました。
ばらしたと書きましたが、正確には横にコインで回せる蓋がありそれを外すと中のブラシが抜けてくる構造です。
そろそろあったかいので水を触っていても気持ちいいので 水洗いを行いました。
未だ乾いていないので試してはないのですが 快調に回るようになることでしょう。
で、「こういうのってだれも掃除しないよね」なんて
事務所内の女性は平均年齢23歳ぐらいなので若い子ばかりで そういったことを教える年の人がいないこともあり 普段の掃除はしてくれるけどそういうことはどうも抜けがち。
ほっておくと掃除機の中のごみを捨てないで、掃除はすれどもごみは減らずということも(笑)
まあ、それほど気持ちが入っていないということでしょうし それをとやかく言うつもりもありません。
ただ、この部分の掃除はどちらかというと 道具のメンテナンスの部分。このまま使い続ければ吸い込みに負担がかかり壊れるかもしれない部分だと思っています。
 
機械のメンテナンスは大事で、日本の中古車が世界中で評価されるのは「車検」という制度があるからではないかと私は思っているのですが・・
高品質で低価格だからだといわれるかもしれませんが、日本の車の販売形態は多くの場合 車を製造する会社の資本が大きく入った販売店が 販売、メンテナンスを行っていることが知られています。
たとえば車の販売を行ってもその車の状況も販売した会社が多くを握っています。
まあ、その部分が利益の多くを占めていたこともあり、カー用品販売店のようなサードパーティがタケノコのように出てきてその地位を脅かしたりしていますが いまでもかなりの部分を握っています。
車の故障の多い部分や傾向的にへたり安いところ等のフィードバックの体制が整っており それがそのまま製品の改善につながってゆき 壊れない=高性能、必要のないもの、部品の共有化と大量生産=低価格というふうな図式を作りここまで来たものと思われます。
車を修理する側も、「音を聞いただけで・・・」などと言いますが 一つの車種を修理し続けていれば壊れる部分の予想も立とうというもの
ベテランのメカニックがいるのはそういった部分がおおくなっています。
しかし、最近その図式が変わってきています。
たとえば整備コンクールで若いメカニックが優勝することも多くなっています。
お陰で コンクール優勝の写真も若々しくて爽やかでよいのですが、この場合の修理はアナライザーを使った原因の追及と ユニット単位の交換なので「職人」というレベルではないために 動きが遅くなった経験豊かなメカニックより若いメカニックが勝ったりするわけです。
レースの世界では未だ経験豊かな人たちが活躍したりもします。
まあ、実情はともかく日本の車は中古車においても二年に一回の大規模な点検が必ず行われており、ある一定の整備レベルの確保された車とすると どこでどう使われていたかもわからないような車より同じなら安心できるというわけであり、それだけ商品価値が高いというわけです。
たとえばエアコンが壊れたり、型が古くなったから乗り換えた人がいるとすれば エアコンの必要のないところではだいじょうぶですし 方が古いことと走ることとは大きな差にはならないわけです。
 
メンテナンスは大事であるということなのですが、メンテナンスすればどうなるでしょう?
たとえば私が普段持っているSmartPhoneはメンテナンスをするとどうでしょう?
もちろん、掃除してキーの動きが良くなったりはあります、初期化してプログラムを入れなおして長い間にたまったテンポラリーやガベージを処理するとかで速くはなります。
おそらく多くの人が持っているSmartPhoneは初期化すれば購入した時と同じ性能を発揮できることでしょう。
逆に、メンテナンスを普段している人としていない人との差も少なく 初期化すれば同じ性能となります。
それでも使っているときの利便性の違いは明らかなのですが・・・
 
これが少し前の車だったらどうでしょう?
まず、購入した時点でメンテナンスが始まります。
「慣らし」という作業です。
機械部品の組み合わせで削れて勘合が良くなる部品もあるので、きれいに削る必要があります。
急に力をかけたりすると でこぼこに削れてしまいますし、なだらかに力をかけるように意識すればきれいに削れます。
購入当初からちゃんと3000回転までしか回さない期間や5000回転まで回してよい時期などを意識しながら乗れば驚くほどエンジンはスムーズに回るようになります。
オイル交換も走り方によりオイルの粘土と抵抗の関係があるので状況に合わせたものを選ぶのがベスト。
プラグや点火時期などもそう、ちゃんと整備された車たちはそれにこたえてくれたのです。
その答え方は測ってみてわかるのですが、100馬力そこそこの車たちが多い場合には20馬力程度の差となるわけです(片方は購入した時より出力が下がっていて 片方は購入した時より上がっている)。
ああ、整備して良かったと思う瞬間なのです。
 
掃除機は直せば たとえばさっきの例でいえば軸受のところに髪の毛が絡まって無理に回っていた時期に傷が付いていましたので シリコンの潤滑剤をいれました。
高速に回転することが必ずしも性能が良くなるとは限らないのですが、おそらく新品より高速に回る可能性があります。
つまり、メンテナンスを行うことで良い結果(ときには悪い結果)になり それ故に愛着もあります。
ところが、最近の機器の多くではそれよりも部品の交換を選択することがほとんどです。
「純度」という言葉がクラッシックカーでは時折使われて 珍しい車などでも故障します。
故障した時に、同型量産車などの部品しかないので当然それを使い修理するという過程を繰り返すと 本体の車の中の部品が元の車のものでどんどんなくなってゆきます。
タイヤなどの消耗品を除いた場合の その車のオリジナル度を評価するときに使う言葉なのですが 車でいえばエンジンがもっとも純度を問題にするパーツで同じとかんがえれば SmartPhoneではCPUでしょうか?
修理に出して、大きな文字で「基盤交換」と書いてあると この純度は??と考えてしまうと同様
メンテナンスをしても 既定の性能より良くなったりしないと思うと 愛着を持てない メンテナンスもしない人なども多くなりそうですよね。