シャープ : 『4原色革命、「クアトロン」誕生秘話』

今日、表題のイベントに参加させてもらってきました。
3D クアトロンの発売に合わせて行われたものかと思うわけですが 
最も意外だったのは、私を読んでいただいたこと。
間違いなく私の日記を読んでいる人ならテレビの3D化に否定的な意見を書いている私を呼ぼうとは思わないと思ったからなのですが 参加させていただけたのはありがたいことです。
 
新商品の発表に合わせて・・・・という点では意外だったのは部屋に入って確かにテレビの左肩などには「3D」の文字かでかでかと書かれているし ディスプレイから1.5mぐらい離れたところに どのメーカーも同じように展示するので意外性がないと思われる 3Dグラスを置いてここから見てください(逆に言うとこのあたりから見ないと迫力が無いよと言われているようで)と置いてある点が明らかに3Dと思われる点です。
既に、人が入ってられて 映像が映っていたのですが1台を覗いてすべて 通常の表示のものでした。
 
タイトル通りといえばタイトル道理なのですが、Aquosの名前の説明から始まる話で どちらかというと液晶パネルのシャープの歴史という点から始まります。
「亀山モデル」と世界でも有名なシャープの液晶ですから クオリティの高さを強調するわけではなく、時間軸にコントラスト比の向上をプロットしたグラフがプレゼン資料には上がっています。
コントラスト比は 発売当初の1:300からスタートして 現在の1:5000まで大きく変化している点です。
真っ黒といえるところと 白で光っているところの明るさの比ですが 大きく変化したのは実は最近で 2007年〜2009年の変化が最もドラスティックなものです。
この変化は液晶シャッターの改善と、LEDバックライトの効果によるものが大きな部分なのですがおおよそほかのメーカーでもそうなのでしょう。
しかし、シャープがこの技術において他と異なる点の大きな部分は そのすべてを作っているからです。
シンプルなマスクと冷陰極管からLEDに変化したことの効果だと言う事なのですが これだけではわかりにくいので つたない説明を。
液晶画面は簡単に言うと液晶という電気を流すと黒くなる液体のシャッターでできています。
元をただせば、以下の体色の変化のあれですが、電気を流すと一方向に分子が並び方向性のある光しか通さなくなります。それに偏光板を置くことで黒くなる性質があります。
この性質を利用して、裏から光で照らして黒と白を作ったのが白黒液晶で、各点に色つきセロファンをかけて色を付けたのがカラーテレビです。
もちろん、セロファンはたとえでそんなものはかけないのですが・・・・
各シャッター間には隙間がないのがベストなのですが電気の配線が必要なので隙間ができて そのうえ画面を明るくしようとすると 当然液晶の裏からの光を強くするために光が漏れてきて 真っ暗な画面なのに真っ暗な部屋でつけてみると うっすら明るかったりするわけです。
シャープではそのシャッターを、現行までのひらがなの「く」のじの形をしたものから ほぼ正方形に近い長方形のものに変更しサイズも複数のシャッターの複合で構成するものではなく、一つのシャッターで構成するようにして 明るさと光漏れの少なさを実現したわけです。
そしてバックライトですが、画面の上と下に置いた 冷陰極管という蛍光灯のようなものの光を 導光版と言われる 樹脂でできた乾山のような板に光を横から照らすことで全体を光らせていたものだったのをLEDの証明に変更しました。
上下二か所のものが いくつものLEDを液晶パネルの裏に配することで 部品点数などは増えたのですが、画面全体を一つの光源で照らしているわけではないので 光源そのものの明るさを変化させることで 暗いものはより暗くすることができるようになり 丹治してあった液晶パネルの黒は 本当に黒くなっている(光が出ていない)訳です。
少し付け足すとすれば ブラウン管はじつは完全に黒くなりません。
部屋の蛍光灯の照明の明かりを受けて 微妙に光るのでコンセントが刺さっていなくてもうっすら明るかったりします。
デモでもでてきたのですが LEDタイプとそうでないものが並んでいて、美しさの比較をしていたのですが それに気が付かない私は輝度の違いを指摘して恥をかいてしまいました(笑
コントラストが新しいAquosが思った以上に高かったので、暗くならない冷陰極管タイプのバックライト付きの液晶パネルを 明るいと勘違いしてしまったわけです。
その節には、手を止めさせて皆さんにご迷惑をおかけしました。
とにかく、黒は黒く、明るいところはどこの液晶よりも明るいと思えたAquosのデモは実画を持って表現されたのです。
 
ここまで盛り上げといてなんなのですが(正直わたしこのまま話をどんどん続けてほしかったです。) シャープの液晶の歴史というミュージアムホールに。
早川製作所(でしたよね)のシャープペンシルからスタートして、世界ではじめの液晶表示パネル付き電卓、現在のAquosの原型となる壁掛けテレビ、そして今のAquos(って最新じゃないですよね)、風呂敷包みで包んだブラウン管テレビ(TVCMで使ったやつです)などの紹介。
8世代目までの液晶パネルの ベースガラスの展示など 普段見れないものを見せていただいて休憩となったわけです。
 
さて、Quatronとはなんでしょう?
造語なので意味を追いかけてもしょうがないのですが、カタログにもでかでかと書かれている 4原色液晶でイタリア語のクアット(4つの)色をを持つ液晶パネルなのです。
通常光の3原色は R(赤)、G(グリーン)、B(ブルー)の三色で自然界の光はすべてこの色の組み合わせでできています。
なら、4原色というのはおかしいじゃないかとなるわけですが、そのあたりがシャープの主張となるわけです。
ちなみに、光学的にそういう面白いことを言われても・・・なんて反論もあると思いますが 人の作りだしたもの全てですが自然のものに必ずしも追いついているわけではないのです。
太陽の光のようにすべての色要素が(人の認識する 人の目は太陽の光の中で育っているので 太陽の光基準です)そろっているわけではないのです。
 
追記:人の目の認識する太陽光という事で 三原色です。人以外はそれも見ていますし太陽からはほかの波長の光も出ていると アドバイスをいただきましたので 追記させていただきます。
 
一番簡単に言うと、プリンタのインクが4色でいいはずなのに 良いプリンタは6色や8色なのでわかると思います。印刷でいうシアン、マゼンダ、イエローを混ぜると論理的にはまっくるなのですが 人の作ったインクではグレーにしかならないのです。
故に、子と液晶パネルにおける4原色を主張するシャープはそれで正しいかもしれないわけなのです。
で、その4原色と電子(Erectron)の造語なのですが、電子はなんだというと 液晶パネルだけではどうにもならなくて それを制御する回路も含めてクアトロンと呼んでいるそうです。
 
4原色なのですが、なぜ黄色が入っているのかなのですが このあたりが私には最高に楽しい話だったのです。
まず、バックライトにLEDを使っているのですが、この発色も実は完全に自然光というわけでh無いのです。
やはり色の特性があり、青色が強く緑が続いて 赤が少し弱い感じの発色となるため シャッターの大きさや着色で調整するわけなのですが、LEDそのものの特性で実は黄色も結構出ていたりするわけです。
後で聞いたのですが 専用というわけではないのですが それにチューニングされた独自のLEDを使われているそうなのですが このあたりが半導体メーカーでもあるシャープの強みでしょう。
黄色の発色がLEDから出ているなら 黄色い窓を作るとどういう効果があるでしょうか?
たとえば 純粋な黄色を作るなら 赤成分1+緑成分1が三原色による黄色の作り方なわけですが 黄色成分だけで作った場合 黄色1で済むわけです。
じゃあ黄緑となれば 黄色成分があれば黄色との組み合わせで色を作ったほうが 赤+緑の組み合わせで作るよりも少ない光で可能なわけです。
をお、省電力じゃないかという話になった来るわけです。
 
それだけじゃない。
緑のフィルターの色を少しだけ青に近づけてみたりしているわけで それにより青から緑への色の変化がよりきめ細やかになり 青から緑に変化するへの諧調などがぐっと良くなったという利点もあります。
デモで見るのはきれいなサンゴ礁の海。
頭の中でイメージしてください。
エメラルドグリーンという色を思い浮かべることでしょう。その色こそが青から緑の変化の中にある色で この色の表現がいままでよりぐっと良くなったというわけです。
色表現という面では、もちろん黄色を独立色としたことで黄色の 特に明るい黄色などの表現力がぐっと上がっているわけです。
おおよそ店頭で紹介されるのはこの部分なのですが、このあたりの表現力が大きく向上しているわけです。
 
すごい!!と感心するのはいいのですが 発想としては昔からないものではないのです。
解っていてもやらない部分でもあったわけです。
なぜだかわかりますか?
色成分の窓を一つ増やしただけのように見えますが 3色を4色にすると言う事は 同じ点の大きさなら窓全部を小さくしなければいけないわけです。
そして窓を小さくできるのであれば 現在の1920x1080の液晶パネルを 3色で作り直すと
2560x1440の高精細液晶に早変わりするわけです。
この計算は1ドットあたり 4つの窓としてドット数にかけて 三つの窓の3で割って算出したものです。
とにかく日本人はスペック至上主義で、パネル解像度が少しでも高ければ 1ランク良い製品として認識します。
たとえば店頭で この2つの解像度を書いたスペック表を比較表として置いてあったらどう思いますか?
ドット数が多いほうが単純に良い商品だと思い込むわけです。デジカメの画素子数とおなじなのです。
であれば、普通はこの解像度の液晶パネルができるなら 画素子数に振って色や画質に回さないことが多いのです。
同じ画素子数なのにこの液晶パネルは高いのです というのがお客様に納得していただかなければならないわけです。
冒頭に戻りますが、世界に「亀山モデル」の名前を知らしめたシャープならではの物づくりだと思ったわけです。
もちろん、商売的にどうかは別問題なので そのあたりは市場が決めるのですが メカおたくな私としては ちょっと唸ってしまいました。
もちろん、上記のような根拠があっての話であるわけですが・・・・・
 
技術的コンファレンスだけで、実際の画面を見ながら聞いているわけではないのですが というより既に回り中の液晶パネルが綺麗すぎて・・・があるのですが うんうんとうなずいてしまうような話だったわけです。
その2に続く。




written by HatenaSync



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