HMDが欲しいな

Sonyからヘッドマウントディスプレイ(以下 HMDと略)の新しい物が発売になった。
幾つかの利点はあるのだが、やはりなんといってもこの解像度は魅力的である。
 
廉価なHMDが過去にもなかったわけではない。
廉価というには 高いのだがPioniaから販売されていたグラストロンなどがある。
最近では i-Podなどに繋いで動画が見れるというものも出てきたのですが 気が付いたらほぼ見ることが出来なくなってしまいました。
それが最近見なくなってしまったのは 一つには可搬性が悪い事ともう一つは小型の解像度の高い液晶が汎用品として少ないということが・・・
恐らくこんかいのSonyの商品も採算ラインという意味では悪いのではと思ったりもするわけですが 先駆者としての地位を確保するための価格だと私は思っているのですが・・・・
 
研究目的あるのが プリズム型のモニターを使って実際の投影サイズと液晶サイズとを買えてしまうものでSVGA相当はあったのですが HD画質のストレートな液晶パネルとしては珍しいのではないかと思います。
これも、デジカメのおかげでコストが下がってきたのではあと思うわけです。
デジカメの背面液晶という訳では無く ビューファインダーとして使われている液晶です。
おかげさまで付いているものは少ない物の ミラーレスとなると当然光学的にファインダーを成立させることが出来ないので(もちろん二眼なら可能ですが レンズを買えてもファインダーの倍率が変わらないじゃあ困るでしょうし・・・・)当然、液晶式のビューファインダーが増えてきたことは想像するに難しくない事です。
そして、本体が小型なのでビューファインダーだけが大きいという事は許されないので・・・・
今までHMD専用にしか作られなかった液晶パネルが ようやく他の用途にも展開を始めたわけです。
 
HMDには大きな利点があります。
何より3Dに強いという事。
なぜ強いかという事は説明するまでもないとは思うのですが一応書いておくと
通常のテレビの3Dの場合 右目と左目で見える画像を替えて立体感を得ます。
じゃあ、右目と左目とが別の画像を見る為の方法ですが 
最も簡単なのは 赤と青のセロファンをかける方式で 色のフィルターをかけられた目で見たほうに見える画像だけを見れば左右で見えているものが違うわけです。
ところが この方式では 赤と青をこのために使っているので 基本的に色はむちゃくちゃになってしまいます。
ではと考えられたのが 偏光式グラスをかけるもので 波長を縦と横で変えて変更グラスをかけることで左右別々の画像を見ます。
この方式の場合はサングラスをかけてテレビを見ているので(光量は約半分に落ちてる)暗くなっているうえに 専用の再生装置を要求するわけです。
で、最も一般的なのは液晶シャッター式で 右目と左目にシャッターを付けて 右目の画像を表示しているときには右目が見えて、左目の画像が出たときには視力検査の時のように目の前に黒い板を置いて見えなくするわけです。
これも 反対側の目で見ているときには 明かりが見えていないので暗くなることと 画面がちらつくという欠点がどうしても出てしまいます。
 
何を言う、裸眼3Dがあるじゃないか!!と言われそうですが
あの場合同時に右目と左目の画像を出して プリズムを使って 右側と左側と見る場所によって違う絵を表示するようにしているというやり方です。
ですが、この方式にも欠点があります。
3Dに見える範囲が限られている事と、右目と左目の画像を同時に表示しているので 液晶パネルの表示解像度が半分になってしまうわけです。
じっと動かずに(頭を右に左に動かさずに)テレビを見続けろと言われるのも苦痛があるでしょう。
 
じゃあHMDだと何がいいんだと言われそうですが 右目は右目用、左目は左目用の液晶パネルを持っているので 解像度の低下も明るさの低下も無い訳です。
その上、ちらつきなども無縁ですので(方式的なという意味)快適に3Dが楽しめるわけです。
このHMDはあちこちでデモをやっているので 試されるときは 是非3Dのコンテンツを見ていただきたいと思うほどです。
勿論、これにも調整は必要なので 説明書がぶら下がっていますので ちらっと見て「ああ」というのではなく ちゃんと調整した後の画面を見てほしいと思うわけです。技術者はきっとそう望んでますので!!
かなりすごい画像が見ることが出来ると思います。
 
でも、未だ欠点が無い訳でもありません。
一つは明るさです。
これほどのサイズでこれほどの解像度の液晶を使っているので 実はそれほど明るくはありません。
明るくしてしまうと 解像度が高いのでハレーションを起こして眩しくて見えなくなってしまうという事もあり ある一定以上のものを当てられないという事情も含めてです。
それが証拠に、周りをまったく光が入らないように囲っているのが解ると思います。
コンテンツ的にも映画のような暗い所から 突然明るくなるようなものがあでやかに映るというのが多く出ています。
故に気が付きにくいわけですが まったく囲われたものと考えればその特殊性は解ってもらえると思います。
 
i-Pod用のHMDは 本体の解像度がHD画質にまで至ったのに 経済的な理由と技術的な理由でそこには向かえず QVGA相当だったから HMDで見ない方がきれいに見えるという 変な逆転現象を起こしているわけです。
故に無くなっていたという事はあるのでしょうが 今回のパネルは本体と比べても劣らないレベルの物。
充電式も遠くない未来に出てくるでしょうから ノートパソコンだったりSmartPhoneだったりの姿を根幹的に変えてしまうかもしれないものです。
ただ、今望むとすれば できればなのですが 白黒でも良いので普段は周りを囲わずに使えるタイプがあれば仕事的には便利かなと・・・
今のように囲った状態で出来る仕事なんて非常に限られている訳で 資料も読めないわけですから。
まあ、ワークスタイルなんて変ってゆくので 周りの囲いを取り除いて 綺麗に見える方法を探るより カメラを付けてそのカメラの情報をHMDに映し出す方に力を注ぐという事になってしまうのかもしれませんが・・・・
written by HatenaSync