APPLEが助けたAndroid Pad

以前に予測して大きく外したのが(っていつも夢みたいなことを書いているので外すが)Android携帯電話の台頭である。
中国製の安価なAndroid端末がたくさん出てくると書いていたわけですが、現状もそれほど多くはないわけです。
簡単に言うと読みが甘かったわけですが、今になってみるとなぜだかはよくわかるのです。
何よりもその要件として大きいのは、Androidが思った以上にリッチなOSだったからです。
 
Andoidがリッチだなんて、WindowsOSに比べて・・・なんて言われるとそうなわけですが まさかSmartPhoneにWindows XPなどを入れないのと同様にそういう意味ではありません。
1年ほど前に予想していたころの 中国のコピー携帯は私も一度購入していますが 詳細なことはわかりませんが 130Mぐらいの速度の制御機器用などで良く使われるCPUを搭載したものです。
その上に 電話に関する部分とJAVAの実行する部分が大きな二つの要素で 本体の形に応じてJAVAでメニューを作り替えたりしてカスタマイズしています。
たとえばNOKIA風とか、I-Phone風とか。
今回、そういったものは店頭販売のメインから外れていたわけです。
実際にそういったものを売る店はあるのでしょうが メインストリートの方の携帯電話ビルなどからは あまり見受けられなくなっています。
ポイントは点あると思います。
一つはコピーそのものがむなしくなっていること。
特に最近の電話では 液晶画面が非常に高精細になり いかに見た目を似せようとしても電源を入れたとたんに見え見えなわけです。
そういう意味では比較的解像度の低い状態を続けていたNOKIAなどはコピーのターゲットとして人気もあったことからよかったのでしょう。
で、もう一つの点はマーケットが限られてきたこと。
不況の影響もあり 一流メーカーの端末そのもののも価格を下げてきて 圧倒的に安くない限り そしてそこそこの機能がない限り・・という感じになってきています。
最も大きな点は3Gの通信など。
現在、アラブの一部の国などがメインターゲットになっているようで 国内向けでなくなりつつあるからだと私は思っています。
ちょっと話はそれましたが、Android OSのリッチさなのですがOSそのものも洗練を繰り返しながら機能が増えているわけですが、それ以上にアプリケーションがリッチに変化していってます。
じゃあそんなアプリケーションを使わない方向で・・・・と言いたいわけですが、それがOSの開発元であるGoogleの作るアプリケーション群だからたちが悪いわけです。
顕著な例でいうと Google MAPです。
ストリートビューをはじめ レイヤー機能などここしばらくでずいぶんモバイルデバイス向けの機能がアップしました。
大手HTCなどが発売している中で 3万円ぐらいの端末代金で販売されているものの CPUは600M Hzぐらい。
実際に使ってみるとわかりますが 画面の小ささも手伝って一見軽快に思いますが、ハイエンドの1Ghzモデルと比べると 明らかにGoogle MAPなどではもたつきを感じます。
ただ、Androidの端末を購入してGoogleMAPが使えないとしたらどうでしょう? おそらく購入した人は信じられない裏切られた気持ちとなるわけです。
いままで、JAVA環境で遅いと思われながら130MhzのCPUで我慢して使ってきたのに 600Mhzに上げなければいけないという事態に追い込まれたわけです。
もちろんCPUのブラッシュアップは コストさえ出せばまかなえる話ですが 実はそんなに簡単にいかないわけです。
 
大手メーカーが小型で高性能な端末を多く作ることができるのはCPUそのものをカスタマイズして作ることができるということもあります。
今までのGSMコピー機も同様で 同じようなバッテリーを付けても長時間の運用が苦しく ほとんどの端末で予備バッテリーを最初からつけるという場当たり的な対応をしています。
これが5倍近い速度のCPUを同じ感覚で取り付けると それこそ数十分で少しぐらい大きめのバッテリーを付けたところでなくなってしまいます。
汎用の部品の組み合わせではある一定以上の性能を発揮するのは苦しいわけです。
もちろん、小型軽量という縛りがあってのことです。
その上、3万円程度でHTCなどの端末が出てくると そこで戦うと利益を削る苦しい戦いとなるわけです。
決して望むものではないのでしょう。もっとも、また新しいCPUが出てきたりしてこの先はわかりませんが・・・・
とにかく今は、Androidでの戦いを行う必要性が無いと判断したのではと私は思っています。
その状態で・・・となるはずだったのがAPPLEが投げ込んだ一石がきっかけとなって 一変します。
 
今でも納得いかないのが 重石でも詰めているのではないかと思うi-Padの重量なのですが
A5サイズで700gもある携帯電話を作ってもよいということを 中国のコピー屋さんたちに吹き込んだわけです。
i-Phone4と同程度以下の性能であの重さは異常ながら あれが当時の精いっぱいのような発言を行います。
基本的に作りかけてやめていたと思われる 600Mhzクラスの携帯電話の 画面を大型化しただけの 〜PADが登場し始めます。
あのサイズ、あの重量なら何とかなるというわけです。
もちろん、今まで通りバッテリーの持ち時間などある程度無視するという手法があってこそですが。
予想通りというか タケノコのように登場し、最初に作って販売したメーカーはシンセンでも直営店を表通りに面したビルの中にまで移動してきていますから一気に受注を増やしたのでしょう。
今回見た限りでは 15社ほど異なるメーカーが中身は同じかもしれませんが ブースがあちこちに出ていました。
あれならできるわけです。
そして、GSMから抜けられないジレンマを 外してしまえるという画期的な補法を取って抜け出したわけです。
じゃあ、APPLEはこの事態を予想していなかったのかというと、当時のi-Phoneですら驚くほどの数の偽物が出ていたわけですから 予想しえないはずはないのです。
世界中どこでもに近く手に入ったわけですから。
にもかかわらず、なぜにこういったスペックのものが必要だったのでしょう?
 
Android端末は、OSがフリーなことが特徴です。
もちろん、APPも審査なしに基本的に登録が行われます。
普通に考えれば 規制の厳しいAPPLEより良いわけですが いくつかの問題もあります。
たとえばセキュリティの問題。ユーザー名やパスワードを抜き出すソフトがたくさんいるとのことですしじっさいそうなんでしょう。
誰も見ていないわけですからやりほうだいなわけです。
そして、端末種の多いことも問題です。
アプリケーションによっては、こちらは対応しているが こっちは無理というようなものが出ています。
たとえばOSのバージョン、CPUの種類、付加装置の有無等々 これも監視方法がないわけです。
そこまで来るとお判りでしょうが、わけのわからない端末が増えれば増えるほど Andoirのアプリケーションは混乱を起こすわけです。
それが携帯電話用のOSであったAndoirをそれ以外のものにどんどん使い始めることによって 混乱を極めてゆくわけです。
 
本来Andoirは携帯端末用で、タブレットはどちらかというと Chrom OSの守備範囲。
そのあたりの違いをものともせず、メニューもそのままで力技で移植が進められてゆきます。
無いデバイスを呼びに行って帰ってこられないことなど気にしないのです(笑
アプリケーションを作る側にはたまったもんじゃない。
知らない端末の知らない環境で動かなかったと 報告が入るわけです。
もともと対応する必要のない者たちですが、動かないと報告だけが膨大に膨れてゆくわけです。
これが商用のものだとほっとくこともできなくなるわけで、それが進みすぎると Androidでの開発のリスクの大きさに気が付かされるわけです。
 
Androidにおける開発のリスクは昔から多いことはわかっていたわけですが、i-Padというまねできそうな餌をぶら下げることによって 混乱の増徴に一石をAPPLEが投じたのかもしれないと思うと空恐ろしい感じがしなくもないと思いませんか?
もちろん、状況から予想できることで、必ずしも結果がこうなるとは限りません。
ただ、Windowsと比較してウイルスのリスクの低いOS-Xという広告を打ったことがありました。
これはみなさんご存知の通り、メジャー故に狙われやすいという点を突いた見事な広告でした。
シェアの低いものの強みだったわけです。
しかし、現在 i-PhoneのOSは単体ではもっともシェアの多いOSなのかもしれません。
そうだとすると、逆のキャンペーンが発生する可能性も含んでいます。
狙われているI-Phone OSなわけですが Androidの台頭でそのリスクも見事に回避しているわけです。
マーケット的に 必ずしも大ヒットを予想する必要のないラインアップを1機種増やすことによって リスクの多くを回避したわけです。
このまま、Tablet型が普及しなければ 失敗だと言って撤退することも可能で その際にシェアを取られていたって知ったことではないわけです。
もともと、携帯電話ほどに普及することを考える必要のないデバイスだったわけですから、i-Phoneが負けることに比べて リスクは小さいのです。
 
夢のような話ですが、計算してやっていれば Jobsはすごいと心底思いますし まさかそれに対して返事が得られるとも思えません。
実際のところAndoirがi-Phoneを追い抜くのは時間の問題でしたが、一社という考え方でいえばSamusungやLGが しばらく1社でAndroidだけでAPPLEを抜くことはないと思われますのでそちらも安心。
Sonyのような独自のカスタマイズがもしもツボにはまったらという心配はつぶれたし、さてこの後の手立ては・・・・
シンセンで見てると、あちこちで販売しているtabletですが実は使っている人は一人も見ていない。
なんておなく状況を見るとそう思えたりしたわけですが・・・・
written by HatenaSync