未曽有の

災害などが起こると良く使われる言葉なのですが 過去に類のないというのは大体過去に類がある場合が多くて 自死因や洪水などは江戸時代ぐらい遡ると伝説や寓話として残ったりしています。

モーゼの十戎ではないのですが海が割れたなどと言うのも想像なのかそれとも過去にそれに類する事態が起きての話なのかは分からないわけです。

自身も、この地区でなどと言う伝承が残されていることが多く 洪水などと同様に家を建てる為に向かない土地として残されていたりします。

また、地名にそれが残されていたりして そういう災害に合ったところの地名で昔につけられたものは水に関する文字が使われていたりして昔の人の知恵に感心したりするものです。

 

半導体不足をバブル崩壊の兆候と言う人がいるわけですが このバブルと言うのもはるか昔のオランダのチューリップの価格が高沸した時代に最初のものが起きてそれ以来その言葉が使われています。

ただ、言葉としては使っていますが 今の状況とその当時の状況では全く異なるもので一緒に並べていいものかどうかに大いに疑問が残るところです。

本来必要のないものに 異常な需要により高値が付き 利鞘を得るために高値が需要を超えていく様子なのですが 最近のバブルは金余りによるものが多いような気がします。

 

で、お金が余ると発生するのがインフレです。

インフレはインフレーションという言葉の略語なのですが 貨幣価値が低下するという状況です。貨幣価値が低下するので モノの値段が上がるという意味でもあります。

詳しい説明は 経済誌でも見てもらえばわかるとは思うのですが 今回の注目点はこれが未曽有になる可能性があることです。

 

基本的に世界中の国の為政者は 大体においてインフレを怖がります。いや怖がりましたが正しいのかもしれません。

各国政府はお金を刷る力を持っているので、印刷すればいくらでもお金が用意できるのです。それこそ印刷を続ける限り税金も必要なくいくらでもお金を用意できるのですが お金を刷りすぎるとお金の価値が低下し 物の値段が上がり同じ量のお金で買えるものが減って いくら刷っても使えなくなってゆくのです。

気を付けないとダメなのは人間の心理で 値上がりが続きだすと値段が上がるに違いないと売り惜しみを始めて価格の上昇が無制限に走って制御不能になることです。

世界大戦で戦争に負けた国は 勝った国に対する賠償金などを払うのに 収入無く支払い続けるので無制限に紙幣を刷って国内の経済が破綻し 大規模なインフレに突入します。

市場で日常品を購入するのに トランクいっぱいの札束を用意する必要があった時代があり インフレを鎮静化する手段がない以上各国政府は紙幣の発行を制限してゆく訳です。

各国の大統領や首相は歴史に無能物としての烙印を残したくないので 過度な「インフレ恐怖症」に陥りやすく それ故に先進国は経済成長率が落ちてゆきやすいのです。

 

その殻を破ったのは、恐らく日本の過去の首相で 異次元緩和でお金を刷り続けてもいいんだという前例を作りました。

そして、もしかしたら もっと刷ってもいいんじゃないか 他国に対して自国通貨の価値を制御するのに使ってもいいんじゃないかという手法を世に認識させたわけです。

時を同じくして起こった それこそ未曽有鵜の災害対策などもあって 驚くほどの支出を政府が可能にしましたが それでも、世間は評価したわけです。

 

ところがコロナウイルスが世界中に蔓延して、政府はその対策費を世界中で同じ手法で資金を調達し対策費に充てました。

現在アメリカが金融引き締めを行おうとしているのは、それが走り良すぎたのを抑えようとしているわけです。

世界中に各国ともお金があふれていて 物の値段が上がり続けています。

日本ですら 日銀の物価目標であった2%を軽く超えそうです。

世界では二けたに突入した国もあります。

どこかの国で暴走が始まると 止まらなくなるかもしれません。

 

前述通り各国政府は「インフレ恐怖症」だといったものの 前例が出来てしまったこともあるのですが それよりも第二次世界大戦を体験した層が世代交代して 「インフレの恐怖」を自分で体験した人が減ってきたというのが 少なからず影響を与えたのではないのでしょうか?

日本はそのインフレの経験を大きく感じることなくここまで来たのでより一層その傾向が強くなっています。

例えば、銀行預金はほぼ金利はつかないのですが 銀行に預金している人がたくさんいます。しかし、1年で3%インフレすると3%分お金の価値が下がるという事なので お金が減っていくのです。

10年で27%貨幣価値が下落するのです。20年で46%下落するので 半分近くになります。

老後資金2000万円問題とかありましたが40歳で2000万円貯金して老後安心となっても 実際に65歳になった時には933万円分の価値しかないわけです。

 

未曽有というのは過去に経験のないという意味ですが

過去に経験はあるけど、経験していないという意味でも発生する可能性のあるという言葉として使われそうな委がしているのですが。