裏技

どちらかと言うとゲーム用語だったのが 一般にまで広がったのは家庭用ゲーム機の普及のおかげだったと思うのですが。

 

表技と言うのは無いのですが、一般的な攻略法に対して 正規の方法なのだが隠し通路などの特殊アイテムやプログラムのバグ等を利用して 簡単に先に進んだりクリアしたりする方法のことを「裏技」と言ったわけです。

「攻略本」とかもこの頃に生まれたのだと思いますが こういった手法を集めたものや RPG等の道順や 登場する敵の情報などを集めた本です。

当然ですが 道順や敵の情報などは普通にプレイすればある程度調べることが出来るわけですが 「裏技」に関しては通常の方法ではないために発見が難しく その掲載量の多さがそのまま本の売り上げに繋がったりもしたわけです。

また、そういった本がどれだけの種類 登場するかでそのゲームの注目度や売れ行きが予想された時代でもあったのです。

 

インターネットの普及で「攻略本」は殆ど駆逐されてしまいました。

何故なら、それらの情報はインターネットの情報で代替え可能なものだったからです。

ゲームのクリアの速度を競ったりという事が流行すると それに伴いそういった情報がより早く提供されるので 攻略本が登場したときには 既に大半は公開情報となっていてそれらにお金を使って買おうという人が少なくなったからだと思われます。

 

では、今回のテーマの裏技なのですが これも消滅の危機を迎えています。

まず、正規の方法での隠し通路などは 隠し方がパターン化した為に考慮開く方法の一つとして「裏」ではなくなってしまっている事で「裏技」とは呼べなくなってきているのです。

もう一つのバグに関しては 一つはプログラムのバグに関しては当然修正されるべき内容で インターネットを使ったオンライン化で販売後に修正する方法が出来たので修正してしまって使えなくなるからです。

こちらに関しては 今は「チート機能」とか名前が変わって 出来ないはずのことが出来る機能で 当然ゲームを作っている側の修正対象になるわけです。

 

もう一つ、ゲームの対象が必ずしもゲームのプログラムだけではなくなって 人対人がゲーム上で対決するようなゲームの場合 裏技と言うのは人間の性能の問題点を去るようなもので 上下の動きの後に急に左右の動きを入れると目がくらませられるとかそういう物になってくるわけです。

これを「裏技」と定義すると ほとんどの武道の技そのものが「裏技」と定義する必要が必要になってしまうわけです。

まあ、うまくいっても心理学的分析による裏技ぐらいの使い方しかできないでしょう。

 

「死語」と言われる 使われなくなった言葉を表現する単語がありますが これらはそれに近いうちになってしまうのでしょう。

というか、その言葉自身を今の若い世代には通じないような気がしてきました(笑

「マニュアル世代」という言葉が少し前にありましたし、「実社会には攻略本がない」というインタビューの回答を聞いた覚えがあるのですが 今はYoutubeを見て勉強してから来ましたとか言うセリフを聞くようになった気がします。

 

「裏技」そのものはなくなったのですが、昔に比べたらなんでも手に入るようになってきています。

DIYなんかが良い例で Youtubeで検索すると 自分のやりたいことをやった先人が殆どいて 丁寧にやり方を教えてくれています。

その方々はYoutuberと呼ばれて市民権を得ていますが、その方々以外は前述の「マニュアル世代」でそれらが無いと新しいことに挑戦できない人たちになってしまっているのでしょうか?

また、自ら段階的に構成した知識ではないので 少しでも違う点があると応用のきかない手法になってきているのでは。

昔のように裏技で知らない人より一気に1歩先に行く方法は情報の一般化でなくなってきていますので、やり方を原点に戻って考えて より努力が必要な世代になってきているような気がしたのですが。