おはなし

Miss Lは、ローズバスが大好き 6

なんとなくバスルームで怖くなってひとしきり泣いて バスローブを羽織って部屋に出た。 さっきはゆっくり見る時間も無かったが 一部屋の中にベッドのあるようなワンルームですが 小さな冷蔵庫も小さな流し台。ちゃんとガスのコンロもあった。 さっきも言った…

Miss Lは、ローズバスが大好き 5

たどり着いたのは事務所。流石に一言言わなければ納得いかない。 一応合鍵も貰っているので 自動ドアの開くのも待ちきれず手でこじ開けるようにドアを開いた。 速いエレベーターがこれ以上頭に血が上るのを防いでくれた。 オートロックだから安心なのか入り…

Miss Lは、ローズバスが大好き 4

階段を一段ずつ上がると、そのたびに風が強くなるような気がする。 コートのすそが、腰近くにまで跳ね上がっているような気がする。 スカートは長い巻きスカートだから跳ね上げられる心配は無い。しかし、長い巻きスカートはただですら階段を上がりにくいの…

Miss Lは、ローズバスが大好き 3

コートの襟を立てて顔を隠して歩くのは、いい女の印みたいなもの。 何故なら、顔が見えないから・・・・ って、それも夜ならです。 真昼間、その上隠しても隠し切れないぐらいの強風じゃあちっとも綺麗になんか見えやしない。 「何であたしはこんな所にいる…

Miss Lは、ローズバスが大好き 2

勿論、唯一の高層マンション。恐らく価格も高層なので やはりオートロック。 そういえば、ここまで書いていて部屋番号が書いていない。 17階の・・・、と、入り口は番号のついた入力端末が。 FAXには、謎の4桁の番号が 勿論この暗証番号に違いない。キ…

Miss Lは、ローズバスが大好き

そんな筈じゃなかった。 確かに、そんないい話は無かった。 絶対に、仕事口を見つけないと このまま飢え死にしてしまう。 すでに、帰る家も無く 30過ぎてもう何年? そこ数えない! 生きていくために、何でもするつもりだったが幸いにも容姿端麗な方ではな…