Jigブラウザー

ネタがないから、書いているわけではなく、最近標準でWEBブラウザーを搭載している携帯電話が多く出てきたので、その使い道と仕組みが違うことが大きな誤解を生んでいるような気がして・・・・少しだけ補足させてください。
いままで、私のJigの日記を読んでいた人にはあまり得ることはないと思うのですが・・・
電車の中で、「今度インターネットの見れる携帯が出るらしい!」と学生が言っていたのを聞きながらあまりにも面白くて盗み聞きしてしまった話ですが もう2週間ぐらいたっているから時効ですよね(なにがだ)。
今までのi−modeではインターネットが見る事ができない。見たいサイトが見れなくて困った。 というところから始まって、パケット代が高いとか安いとか、インターネットが見れるようになると あんなところやこんなところが見れるという所まで話が波及していました。
まあ、そのあと請求が携帯だから家に来ないというわけの判らない理論にまで飛躍していましたが、発信者通知をしているか してないかはあまり関係ないかとは思うんですけど・・・・
まあ、ともかく 携帯電話でインターネットを見る事が出来るようになるのはよい事です。
多くの意味で、PDAに通信機能を付加するために増えていた荷物を減らせる事。通信機能をサポートする事でしか選べないPDAの種類の制限を取りはなった事は私にとっては大きなメリットでした。
そのフルブラウザーなのですが、色々な方式があります。
一般的なPCは、インターネット上からデータをダウンロードしてきて、そのHTMLをはじめとするスクリプトを解析し表示するブラウザーというソフトを通じて表示します。
これは多くのPDAのブラウザーでも同じことで、CPUの演算能力が違うので一般的にはPCに比べてPDAが遅いというのが普通です。
じゃあ、本当に演算能力だけ?となるのですが その話は今日の主題ではないのでおいといて その際「遅さ」を感じさせる大きな理由はやはりデータをダウンロードにかかる時間と展開するための時間でしょう。
展開するための時間に関しては既にPDAは数年前のPCの速度を有していますので 十分ですが携帯に関してはどうでしょうね?
そして、通信速度ですがPHSのカードの一般的なもの128Kに比べると理論値で3倍速い筈の通信速度ですが パケット交換に手間取り 実行速度は100kオーバーというところのようです。勿論回線状況が理想的によければもっと上がりますが。
では、この条件で頑張ってインターネットを見ましょうとしたのが 現在良く携帯電話に標準搭載されているブラウザーです。
現在、AUのものは追加料金1000円ほどで一般のパケット定額プランに合わせて 定額でブラウジングできるようになっていますのでパケット代を気にする事は有りませんが 他のキャリアーでは発売してから変更があるかもしれませんが このブラウザーの運用に関しては定額の範囲外と表明しています。
勿論、3年前のPDA並みのパフォーマンスを有する携帯電話ですから我慢できないほどは遅くなくブラウジングが出来ます。
そして、その方法を取らなかったのがJigブラウザーなのです。
Jigという会社は、i−modeのときに一部の企業ユーザーの中では話題になったそうなのですが、パケットの圧縮ソフトを販売する会社でした。
Jigのセンターで、圧縮し携帯電話に解凍プログラムをインストールし受信する仕組みを考え ビジネスモデルとして確立した会社です。
その事によって、当時何の割引も無かったパケットの課金を 20%程度安くしたという効果でi−modeを使ったアプリケーションとして有名になりました。
メールもi−modeコンテンツも基本的にテキストでしたので圧縮する事は難しくなく、その上解凍プログラムも難しいスクリプトの無いC−HTMLだったのですから何よりもアイデアの勝利でしょう。
同じ発想で、基地局側のJigブラウザーサーバーで、データを圧縮して携帯電話のブラウザーに送り込む仕組みで動いているのがJigブラウザーです。
もともと、携帯電話の画面サイズは小さいので その何倍もある画像を受信してもあまり意味は有りません。それぐらいであればJigブラウザーのサーバーで例えばQVGAの画像に変換してからインターネットの回線を通じて送れば 1Mの画像が100k未満になったりするわけです。そして、それにあわせたレイアウトの変更もJigブラウザーのサーバーのほうで行えば たとえどんなに難しいスクリプトを使われていたとしても 携帯電話側には最低限のスクリプトの解析機能を持ったブラウザーを用意するだけで済みます。おちろん、一般のi−modeアプリとなりますので定額のパケット代定額の範囲内となります。
問題は、顧客の人数に合わせたサーバーをインターネット側にもたなければいけないのですが その技術は前身である(今もサービスは続いています)パケット圧縮サーバーの技術の延長線上なので併用していく事もできるのでしょう。
本来前者は、JAVAを使って動くアプリケーションである必要もありませんから機種にあわせて 携帯電話のシステムとして動くわけですから非常に高速で、後者は後で付けたアプリケーションでJAVAで動くわけですから遅くなるはずですが、仕組み上、レイアウトを携帯電話用に直したHPの閲覧などではJigブラウザーが高速になります。
特に、画像が多いページの表示で メモリーが無くなって表示できなくなるようなページでも 画像サイズ自身がコンパクトになっているJigブラウザーでは表示できたりする事もあります。(タグの記録できる数に限界があるので 同じように表示できないページもあります)
じゃあどちらがいいのかとなると、
実際問題、携帯電話キャリアーはパケット定額制になった場合飛び交うパケットは少なくなれば少なくなるほどよいのでJigを採用したいところですが、今までのコンテンツを保護する必要性もあるので携帯電話キャリアーは ブラウザー搭載の携帯電話を出して来ざる 得ないのでしょう。パケット代が高くて実際には使うとえらいことになると知っていたとしても。
もちろん、Jigなど世間の人が多く知っているわけではなく ましてやアプリケーションをダウンロードして使うといった行為や、電話代以外にアプリケーション費用として 月額そこそこのお金を払い込むとなったときに、それでも使いたいという人があってのアプリケーションなのでそう、一般的であるかどうかに関しても問題はあります。
ですが、インターネットが全部見れる(この言葉にも嘘が)携帯電話として宣伝した場合、パケットの定額で無い部分に踏み込んで えらい事になる人も出てくるんでしょうね。
ちなみに、私は定額でなければ毎月12万円分ぐらいのパケット代を払わなければいけないことになります。
勿論、嘘をついていると言うつもりは無いのですが、いくらカウンターで説明してもらったとしても、こんなに機器に詳しいPDAの仲間内の集まりでも理解できない人がたくさんいるような料金体系なのですから、一般の人に波及させれば驚くべき請求を受け取る人がたくさん出るような気がします。
一般的な、トレンディ雑誌の広告主である携帯電話キャリアーに対してそういった切り口で記事を見る事は出来ないでしょうし また、パケット代を苦に親を殴ったとかの事件が起きなければいいのにと、願うばかりです。