挑戦者たち 番外編

〜 約束は守られるか? 〜
何事にも、知られざる事情がある そう、Product−Xの舞台となったBenQ P50にも・・・
 
BenQ P50の伝説の中は 初めての中文版PocketPCを日本語化する物語であるが、それはBenQ P50というSmartPhoneがあまりにも魅力的であったからである。
その魅力ゆえに、払わなくても良い対価を支払った。
しかし、その裏にも「もしかしたら・・・・」という噂が流れていた。
「BenQは間もなく英語版を発売する、その際には英語版のROMがCDで供給される」というものであった。
 
MUIの書き換えをする。
プログラム一つ一つに対して、一つずつ。気の遠くなるほどの時間をかけて 該当する日本語に埋めてゆく作業。
試行錯誤を繰り返し、リセットと環境変更を繰り返していた。
その時に思うことは一つ、これが英語版だったら
 
BenQはすでに報告が上がっているように電源周りに不安を抱えている。
ゆえに、突然のハードリセットがある。
その時に思うこと、判らない中文のメッセージは 一気に気持ちを減退させることもある。
一連のなれた作業なのであるが、フォルダー名の変更等 プログラムを導入するだけで、レジストリーを操作するなど自動で対応できないことを、一つずつメモを見ながら実行することである。
その時に現れるメッセージは、いまだに意味の判らない漢字の羅列。
同じことなのではあるが、そのたびに体力を奪ってゆく。
二次募集の際も、自らは中文版の茨の道を歩んだにもかかわらず 「英語版の登場をお待ちください」と言っていたのは本心だった。
 
平成17年11月15日 火曜日
一つの情報が流れた。PPCSGのフォーラムに 英語版のBenQ P50のROMイメージが流れたという情報が。
こういった噂は、新しい機種 新しいOS、新しい重大な変更が発生するたびに流される。
有る時はただのいたずらで、導入したとたん自らのデバイスが動かなくなってしまう悪意のあるもの。
善意で配られながら、ハードにも変更が必要で対応せずに、善意ながらデバイスが不動化するパターン。
言語チェックが入っていて、導入すらさせてくれないパターン。
それだけのリスクを犯しながらも、悲願の為に導入した検Ben隊隊員。
そして、成功の報告が上がった。
そして、英語版であれば・・・・・
語るまでも無い、英語版であれば何の苦労も無く使えるわけである。

戦いが済んだ後に残る高揚感、それが過ぎると一抹ながらのさびしい風が吹く。
その熱さが 日に照らされて熱くなったボンネットの上を通り過ぎた風が身をくすぐった時にも 冷たく感じるほどの熱さだったからである。
今回の風も、十分な熱さをもった風だったが昔ほどの熱さを感じないほどに麻痺していた。
 
今回の英語版への変更は、ある意味 一緒に熱くなった人たちにとって妥協に見えるかもしれない。
「なぜ、中文版では駄目なんだ?」
勘違いしないでほしい、検Ben隊は中文版を日本語化することを目指した訳ではない。BenQ P50を使いたい。使いたいからこそ中文版という高すぎる壁を見ても怯まなかったのである。
最初の噂、「英語化できるかもしれない」という言葉も、「英語版のROMは提供されない」と言われた時。気持ちは動いたが、故にBenQ P50の日本語化の歩みを止めたことなど一度も無かった。いや、英語版ROMの提供が無いと言われた時にも 闘志がわきこそすれ絶望した隊員はいない。
じゃあ、彼らのやった日本語化は何だったのだろうか?
 
韓国に新しい風が吹いている。Sumsungから多くの携帯電話が発表されている。もちろん、多くはショーモデルで しかし、その中にはすでに発表されてものもある。
日本と同じ携帯鎖国である韓国。そこでも3Gの波が動いてきている。
そこで発売されるデバイス。もちろん世界市場をにらんで発売される。しかし、数少ないフラッグシップなどは韓国だけで発売されるかもしれない。韓国語で
もちろん、それは中国語かもしれないし、タイ語かもしれない。
その時に、あなたはそのデバイスがどうしても欲しくなったときにどうしますか?
Windows Mobileだったとき、この物語を、そう事実を綴った物語を思い出してください。

確かに「英語版ROMの提供」は、その約束は守られなかった。(事実は約束ほどではなかったということです)
しかし、日本語化するという約束は守られた。それだけで良いのではないだろうか?