AquaCalendar for S60V3

NOKIA E61をPDAとして使う上でやはりどうしても欲しい機能は予定表の機能です。
日本語版が出た後で、海外版を使ってどうこうということでもないのですが 実際には他の日本語化されていない機種でも同様のことがあるかもしれませんので一応書いておきましょう。
 
NOKIAの携帯電話は基本的には標準で2バイト文字を表示する機能があります。
簡単に言うと日本語表示機能がもともとあるということです。
では、海外でNOKIAの携帯電話を買って日本語が表示できないのは何故でしょう?
二つ理由があって一つはFOMTの問題。
もう一つは、エンコードの問題です。
前者は既に解決してくださった方がいて、NOKIA E61香港版の場合には、メモリーカード上にフォントファイルを置くだけでそちらを優先して読み込んでもらえるようなので miniSDカードにフォントファイルを置いて電話の電源を入れるだけで非常に簡単に日本語化が出来ます。
後者は、これに関しては今のところ解決策が見出されていないようで しょうがない問題です。
具体的にいうと、2バイト文字で日本語を表記した場合 ユニコード(一般的にUTF−8と表記されています)という国際共通言語コードで表記されている場合には日本語が表示されるのですが、S−JIS等のローカルな(世界的でないという意味でのローカルで 実際には日本的標準)文字番号による漢字表示を文字コード変換する仕組みがない事が問題に成ります。
もし、このページをPCで見ているのでしたら 「表示」−「エンコード」のメニューでエンコードを他の言語のものに変更してみてくだされば文字化けした日本語のHPをNOKIA E61で見たかのようなページを見ていただけると思います。
これに関しては、WEBブラウザー等でも国コードの付いたファイルがROMには入っているのでROMの焼き変えのような手立てをとる必要があるのではと思うのですがこれも想像の範囲です。
もちろん、UTF−8のページであれば見ることも出来るので例えば検索で有名な「Google」のページ等は見ることが出来ます。
検索して一ページ目は「Google」のエンコーダーが動いているのか日本語を見ることが出来たりするのですが その先にジャンプすると日本語が見えないということになってしまいます。
もちろん後者の制限は、mail等のソフトも同様で WEBもメールも多くの場合日本語で見られないというのがNOKIA E61の大きな欠点となります。
先人の知恵というのはありがたいもので、ハードの知識もソフトの知識もない私が日本語環境を使えるのもそういった方のありがたい実験の結果です。
 
フォントに関してはクリアーする方法が見つかっているので、それ以外のどうにも成らない後者の部分なのですが 二つのクリアの方法が出されているようです。
二つとも元をただせば同じことなのですが、最初からフォントを内蔵した もしくは内部で強制的にUTF−8で表示するアプリケーションを実行する方法です。
まず、アプリケーション自身が日本語対応で書かれている場合。
今回書いているAquaCalendar for S60がそうで メニューまで日本語化されています。
フォントも選択でき、日本語化で入れたソフトも利用できるようになっています。
そして、開発環境のというか実行環境のプログラムが日本語化されているパターンが良く使われている方法で JAVAの実行環境が日本語化されている場合 その上で動かされるプログラムでは日本語が扱えるという方法です。
後者は多くの選択肢を用意し、海外製のNOKIAで日本語のWEB環境を提供する手段として日本語版の「Opera mini」などがその中では有名なプログラムです。
他にも、「E−mail Viewer」と言われるメールクライアント「eMSN」等も同様の理由で日本語の扱えるアプリケーションとなります。
ここで注意が必要なのは「Opera mini」はJAVA上で動くアプリケーションですが 「Opera」はネイティブな環境で動くアプリケーションなので UTF−8以外の日本語は表示できません。
もちろん、WEB上にサーバーを置いて 強制的にUTF−8に変更する方法等を使えば普通に日本語は表示されます。例えばG−mail等に転送して見る場合 GoogleでUTF−8に変換されるので普通に日本語表示がなされます。
全てのメールをUTF8に変換して受信するメールクライアント mail for ExcangeというクライアントとExcahngeサーバーとの組み合わせで日本語を表示するメールアプリケーションもあります。
 
表示が済んだ後にやはり気になるのが日本語の入力で、これもJAVA環境で提供されたものがあります。
「KKJCONV」というアプリケーションは全ての海外版NOKIAユーザーをはじめ多くのJAVA環境を持ったデバイスで日本語の入力環境を提供するすばらしいアプリケーションです。
唯一の欠点は、直接入力が出来ないためにWindowsでいうところのクリップボードに入力した文字列をコピーし、その文字列を貼り付けるという方法をとるために手間が一つ多いことです。
もちろん、入力できないことに対していえば何百倍も良いことなので私もよく使っています。これがあるから海外版のNOKIAデバイスを購入に踏み切れたわけです。
 
それに対して M−FEP60というネイティブな日本語入力アプリケーションも出ていますが、こちらは現在開発段階のもので 使うためにはNOKIAの開発者認証が必要だったりと多くの手順を踏む必要があります。
M−FEP60についてもう少し書かせてもらえるのであれば(過去に書いたけど)NOKIAの携帯電話は世界で最も沢山使われている携帯電話です。また携帯電話というのは体にかなり近いツールで個人情報など多くの情報を持っています。
それを吸い出して漏洩させるウイルスやスパイウエアーのようなアプリケーションが勝手に配布できないように、NOKIAが認証したアプリケーション以外はインストールできなくなっています。(ちなみにJAVAのアプリケーションは JAVA上で動いているのでその制限を全て受けるわけではありません)。
逆に言うとせっかくこういったネイティブな日本語入力アプリケーションを作ってもらえたとしても、勝手にインストールすることが出来ないのです。
(よく似た仕組みはWindowsにもあります)
故に、自分の機種番号(これは型番ではなく NOKIA携帯一台ずつに振られた番号 IMEIと呼ばれています)毎に割り振られる認証をNOKIAにもらって その認証情報をアプリケーションに付加することで実行すると言う 非常に手間の掛かる手順を踏む必要があります。
また、NOKIAから与えられる認証にもレベルがあり 標準で入っているアプリケーションと平行で動くようなものは許可されないようで こういう方法で認証を取った日本語入力アプリケーションも予定表やアドレス帳などで使うことは出来ないのです。
もちろん、完全な認証がとれればそういったアプリケーションでも使うことが出来るようになり そうなれば一気にその幅を広げるのでしょうが(WEB・Mailなどではエンコードの問題もあるので全てでは在りませんが)・・・・
 
前置きのほうが長くて、もしかしたら本文より有用だったかもしれませんが「AquaCalendar for S60」はその予定表を拡張するアプリケーションです。
PalmでいうところのK‘s DatabookやWmでいうところの「さいすけ」のようなアプリケーションです。
もともと、S60 1stと呼ばれる時代からあったもので、現在のNOKIA E61に該当するものは AquaCalendar for S60V3 で現在のバージョンは5.12です。
もちろん、このアプリケーションは販売されているもので 1月6日段階の為替レートで3109円のものです。
なぜ、1月6日のアプリケーションのことを今頃書いているのかというと、IMEIナンバーを間違えて登録して Unlock Keyを再送してもらっていたから遅れたとは恥ずかしくていえませんが・・・・
このアプリケーションの特徴は何よりも日本語に対応していること。
 
Mail for Excahngeのアプリケーションを利用することにより、PC、ExchangeServer(これはWEB上のものをレンタルで利用)、NOKIA E61と予定表、アドレス帳、メールが同期する運用をしています。
故にデータ自身は日本語で入っていますし表示もされます。
しかし、ネイティブな日本語入力アプリケーションであるM−FEPではセキュリティの制限により、標準のカレンダーに直接入力することが出来ません。
ところが、サードパーティ製の標準のカレンダーとデータベースを共有するこのアプリケーションにはM−FEPの動作が適用されるために まるで日本語のNOKIAE61を触っているかのように入力できます。
過去にもこのアプリケーションをインストールし 30日間の試用期間を使っていたのですが 今回このアプリケーションの購入に踏み切ったのは M−FEPのバージョンアップにより 標準状態を英語環境にする(今回のバージョンから設定できるようになりました)ことにより 普通に設定できるようになったからです。
キーボードの一つにこのアプリケーションを割り当てて、設定画面で「システムアプリケーション」として設定しておくことで一度起動した以降 ずっとメモリー上に常駐し非常に高速に起動することが可能になります。
 
最初に書いたとおり、このアプリケーションは全ての項目が日本語化されています。
といってもHELPファイルがあったりするわけではありませんが、メニュー、項目、選択肢の日本語可能なものは全て日本語に変更されています。
インストールでは英語のメニューですが、それ以外では特別操作に困ることもないでしょう。
フォントも内部で指定できるために、好きなフォントで表示することも出来ます。
また、月次の予定表を文字表示(CLIEでこれが出来たときに感動したことを覚えてます)出来たりとPIMの拡張機能は あちこちのOSのものをみて拡張されたように見受けられます。
 
現在、NOKIA E61のオーダー待ちは1000人を軽く越えるレベルにあるということを聞いています。
納期は3月を越える可能性も示唆されているようです。
暫く手に入らない日本語版の代わりに、まだまだ 香港版の私のE61もがんばってくれそうです。